「終わった人」 映画 

teru10162018-06-23


1100円  

原作 内館牧子
監督 中田秀夫

原作は読んでいた。小説はさらっとした感じで面白かったのだけど、映画になるとどうかなと思っていた。
しかし、意外に面白くてびっくり! 役者の力量もあるし、悲壮感よりも娯楽感が大きくて、結構笑った。
客席はそれこそ年輩の夫婦が多いようだったけど、みんな笑っていた。

それは、この夫婦よりうちがましよね〜という優越感ではなく、
東大卒で一流企業を退職した、ロマンスグレイのイケメン夫、
優しくて美しく、手に職を持っているかしこい妻、心優しい娘に孫娘。
適格なアドバイスをくれる妻の従兄弟。

これ以上、何を望むんだ?という手の届かない家庭だから、楽しめたのかも。
あまりにうちと違いすぎて比べることができない(爆笑)

周りの評価はどうあれ、退職後の自分が「終わっている」と思うかどうかが問題だろう。

だからスポーツクラブでの鈴木からの誘いは渡りに舟だったろう。
今でも学歴がものを言うということはあるのかもしれない。
逆に、それ(学歴、職歴)で断られたというエピソードもあったけど(笑)
それにしても、英語はペラペラだし、本屋では教養の高そうな本を選ぶし、
「散る桜、残る桜も散る桜」・・・なんて!インテリすぎるわ。

それでも、黒木演じる妻は原作よりはるかに優しい感じだったし、控えめな苦言はしょうがないかと思う。
まあ、卒婚と銘打たなくても自然のままに過ごす、というほうが良かったんじゃないかな〜
ラストの状況はあきらかに単身赴任と同じだしね。戻ってくるあてはないのかもしれないけれど。
その間にまた恋?に落ちたら?とか思うのかしら。この二人ならそれぞれにありそうだ。w

作者の内館さん、スポーツクラブのメンバーで出演されていた。 結構目立ってたので嬉しかっただろう。
この方、いつもみるたびに増田明美さんに似ていると思うのは私だけだろうか・・・

主なキャスト
田代壮介  舘ひろし
田代千草  黒木瞳
浜田久里  広末涼子
山崎道子  臼田あさ美
鈴木直人  今井翼

「十二夜 〜またはお望みのもの〜」 福岡市民会館 小ホール

16時〜 無料(チケットプレゼント) 想組〜こころぐみ〜


原作:W.シェイクスピア
演出:大和零河

FPAPのチケットプレゼントで鑑賞させていただいた。
初めてのこころぐみ。宝塚っぽい作りになっているのかなと思っていてその通りだった。
派手目のメイク、衣装、そしてヘッドマイクって言うのかな〜 ピンマイクよりめだつやつ。

十二夜NINAGAWA十二夜を始め、何度か見ているのでストーリーはよく覚えていた。
すれ違いや勘違いを超えて、たどりつく真実ってベタだけど感動する。
芝居部分はいい役者さんをそろえているので、見ごたえはあったけれど、
歌の部分はどうしても四季などと比べてしまうので、物足りない。
特に複数名で歌うときがちゃがちゃと聞こえてしまうのは練習不足でないかと思う。

主人公はセバスチャン(野田敢)とヴァイオラ(釣川楓)だと思うけど、全く目立たない。
若い役者さんだからかもしれないけど、もともとそういう作品なのかな〜

目立ってたのは、もちろんオーシーノ公爵(大和零河)、それからオリヴィア(下枝聖治)
特にオリヴィアは女性より女性らしい仕草や演技、セリフで、まるで歌舞伎の女形を観ているかのようだった。
プロポーションも抜群で、ちょっとびっくりしてしまった。
マルボーリオ(栗野直樹)の道化はなかなか愉快だった。この作品のキモだよね。
若い女の子たちは総じて可愛かったけど、アントワネット(伊波菜々美)がすごく好みだった。

ダンスや歌も練習を重ねて、大和さんレベルの女優が揃うと全体の仕上がりがぐんと良くなるだろう。
でも、カーテンコールで想組の公演は休止と聞いた。思うところがあるのだろう。
確かにレビューも含めて3時間の舞台を作り上げるのは大変だ。力をつけての再開を期待します。

キャスト
大和零河、下枝聖治(R-JeNeraTIonS)、雫石映、野田敢(R-JeNeraTIonS、栗野直樹(劇団ショーマンシップ)
小松瑳弥香、西村美保(劇団☆四灯星)、濱石唯可(九州産業大学演劇研究部)
木下亜望(九州産業大学演劇研究部)、伊波菜々美、釣川楓(劇団☆四灯星)