「平面になる」 ぽんプラザホール

teru10162007-10-27

19時〜 1800円 客演集団THEネリ 
これはおもしろかった。ワンシチュエーションコメディ?と思っていたら、そうではなかった・・・まず舞台がすごい!すごい坂なのだ、え〜っと。。・・30度はあるかと思われる坂というか床が後方のドアに続いている。つまり家の中が傾いている。これをどう使うのか始まる前からいろいろ考えさせられた。しかもあやしげな大きな物体が白い布に覆われて置かれている。いやがおうでも期待が高まる。後方上にあるドアから中年の男性と娘の恋人らしき男が現われる。ひとしきりお約束の「娘はやらん!」的な会話をしつつ。滑り台のごとく床をすべりおりてきて狭いフラットな場所に立つ。そこへ妻が娘が息子がぞろぞろ帰ってくる。ある重要なことを話し合うために。最初はわからなかったが、どうも次男は何か犯罪をおかしたようだと気がつく。白い布に覆われていたものは食卓。5脚の椅子とテーブル。これを斜めの床に打ち付ける。1年2ヶ月前に戻るために。長男は芸術家志望、長女は恋人がいた、妻は有名な料理作家、夫は一流会社勤務、そして次男は東京大学の受験生。回想シーンでは家族5人での夕餉。ちぐはくな会話もまた家族の有様。次男は大学合格の翌日にからかう友達を突き飛ばし死なせてしまう。少年院?から戻ってくる彼を迎えるためばらばらな家族がそろう。夫の部下や娘の恋人等がしばしば出てくるが所詮他人と家族とは違うことを強調したものだろう。唯一娘と結婚したいと思っている母と同じ年の恋人だけは家族に加わろうとする。息子のために会社を辞めようとする夫だが、会社がひきとめてくれることが当然と思っている。しかし、実際は犯罪に絡んだものは不要なのだ。企業なんてそんなもんだ、自分の身は自分で守らねばならない。会社に守ってもらっている企業戦士は実は一番もろい。誰もがすぐにわかった長男が作った次男の魚拓ならぬ人拓(?)を夫はわからなかった。仕事一筋な人間はどこか偏っている。自分の身におきかえてひしひしと感じる家族の辛さや喜び。身につまされてしまって不覚にも次男が旅立つ場面で涙してしまった。夫の精一杯のプライドを捨てたことばにも感動した。なんだよ〜これは・・・まず作品があった、そして役者が集まった、演出がネリの方であった。初ネリはすごい感動で終わった。これからも期待したい。(と思ってたら2005年に「彼氏の底力」って見ていた( ̄ー ̄; 物覚え相当悪いw)