「貧乏物語」ぽんプラザホール

teru10162009-12-04

19時〜 2500円  演戯集団ばぁくう
事務所を移転したばぁくうは今回はぽんプラザホールで公演。 井上ひさしの貧乏物語。 あら・・和物かぁ〜 ばぁくうの外国戯曲の公演が大好きな私はちょっとがっかりしたのは内緒。 でも実際に公演を観ると、昔の日本の再現、小道具から衣装、セリフ、ちょっとしたしぐさなどなど・・・時代考証も完璧だし、なんといっても高品質お芝居を見せてくれた。 ここは全体のレベルがそろって高いので安心して見ていられる。 若い子もかなり勉強して稽古を積んだ者だけが出演する。 実際の劇団員は3名らしいけど、よく出演している役者さんも大勢いる。 今回は全て女性の出演者だったので、主宰の佐藤順一さんは演出とロビーにて客のお相手をされていた。 初めてアトリエ戯座でばぁくうの芝居を観たときは福岡にこんなに大人の劇団があるんだ!と驚いた覚えがある。 ここのところ朗読やパフォーマンス公演が続いていたので、普通のお芝居は久しぶり。 1年以上かな?   昭和の始め、河上肇(元京都帝大教授)の投獄中の留守宅を守る、妻ひでと娘のヨシ、お手伝いの初江、かつてのお手伝い美代、肇の後輩(内務省警保局勤務)と結婚した早苗、新劇女優をめざすカフェの女給クニ。 肇は登場しないが、この6人の女性たちが、それぞれ重く背負ったものを共有して肇の釈放を待っている。 ヨシは大森銀行襲撃事件に関与していたということで投獄され性的拷問を受け、転向を余儀なくされ心と足にキズを負った。 ヨシ役の田中恭子さんは若い女優さんだけど、上達著しい。 ヨシの背景や考えがストレートに心の中に入ってくる、しかも古風な美人。 今回は彼女に自然と注目してしまった。 もちろん、他の女優さんもいつものように安心してみていられる。 この作品は女性賛歌であると。 それにしては辛い思いをした者が集まったものだけど、女性がいかに強い生き物かということを示したものでもあろう。 思想闘争が激化していた時代は女性でも男性でも強くなければ淘汰されるのが常だったから。 まあ、どこまでが史実かはわからないが、「貧乏物語」という本は河上肇その人が書いた経済学と貧乏の因果を研究したもの(?)らしい。 経済と貧乏が繋がるのは当たり前のような気はするが・・・ そんな簡単な話しではないのだろう。 現代も大変な経済不況時であり、仕事が見つからない人も多い。 深刻な事態をテレビ等でもよく観る。 そういったものを研究することで少しでも解決できればいいのに・・  話が大きくなってしまったけど、今回のばぁくうではそんなことを考えさせられた。 次回はきっと事務所ビルでの公演になるのではないかな? 楽しみだ♪
ばぁくう新事務所→http://www.baakuu.com/