「Final Fantasy for XI.?.MMXI」 福岡明治安田生命ホール

teru10162012-03-03

2000円  福島県立いわき総合高等学校演劇部
新聞やちらしで知っていたのだけど、自分の興味外だったのはFFが題にあったこと。 ゲームをいっさいやらない私は演劇にゲーム系の話が出てくると正直ひく。 オタク系あるいはゲーム好きなこどもだけに通用することば、それらを聞くのは苦痛だった。 だから行こうと思ってなかったのだけど、FFは飽くまで題材、手段であって、いわき高校のこどもたちは真剣に演劇と災害と向き合っているのだということを人から聞いたりメディアで知ったり。 しかも年に数回しかつきあってくれない夫が興味を示したということで俄然楽しみになって当日券を購入。 このホールは初めて来たけど500ほどのキャパで古いけどまあまあ観やすい客席。 1時間ちょっとの公演とアフタートークトークではKBCのアナウンサー宮本さんと徳永さんが司会をした。
2011.3.11の地震原発崩壊を受けてのまさに生の告白。 現地の子供や大人、関わっているすべてがどう思って感じていたか、東電の社長やイメージキャラクター、原子力安全保安院、当時の総理大臣等を巧妙にパロって怒りを直接ぶつける。 ストーリーは親友きりかを津波で亡くしたひろこの葛藤を現したものから、それから派生する被害の大きさへの絶望感、そして今後への血を吐くような訴えかけと自らを鼓舞するゲームとリンクしたラスボスとの対決。 演技のレベルというならばおそらくそこまで高いものではなかったのかもしれないけど、彼らの実際の状況からこの舞台ができたのだと思うと感情移入してしょうがない。 主役の女の子(実は部長だった)はとても上手だった。 才能も気持ちもたくさん持ち合わせている子だと思う。 アフタートークでは脚本・構成担当の顧問の先生いしいみちこさん。 若くて気持ちのいいトークで柔らかくそして強く子供たちを見守る先生で、ほんとに幸運だったね、いわき高校演劇部。 実際にまだ仮設住宅に住んでいる生徒もいて言葉を失う。 それなのになぜ演劇をできるんだろう? 表現者ではない私にはこんな状況でも演劇をやってきた彼らを尊敬する。  あまり高校演劇を観たことがないのだけど、ほとんどが顧問の力によるということを聞いていたので、今回もなるほどというところは否めない。 でも、その指導についてこれたということはやはり資質があったのだろう。 これからの彼らに期待するとともに私たち大人につきつけられた課題から目をそらしてはいけない。
(注:題名?で表示されているのはローマ数字の3です)