「二月博多座大歌舞伎」 博多座

teru10162014-02-11


昼の部 11時〜 夜の部 16時〜 各C席5000円 

二月の歌舞伎は中村翫雀丈、中村扇雀丈、中村橋之助丈、中村錦之介丈等が出演の面白い演目の数々。
そんなに派手なものはなかったけれど、どの作品も心に残る素晴らしいものだった。
中村隼人丈、中村芝のぶ丈といった若手も頑張っていて、世代間の受け渡しというかそういう流れも感じられた座組みだった。
ただ空席がめだっていて残念。演目というより出演者で変わってくるような感じかな。

☆昼の部
「御摂勧進帳」ごひいきかんじんちょう
安宅の関所での義経一行と警固の冨樫、斎藤次たちとのやりとり。
斎藤次の容赦ない詮議により一時は捕えられた弁慶だったが、
偽物の勧進帳を読み上げて疑われたのはお前の責任だといわんばかりに義経をぶつ。
その様子を見た冨樫の温情により義経らだけは関所を無事に通過となった。 
義経等がはるかに離れたのを確認した弁慶はその力で縄をほどき、義経の後を追う。
冨樫の情あふれる演技がすごく良かった。歌舞伎の型って悪人と良人を大きく対比させることなのかな?

「二人椀久」ににんわんきゅう
豪商、椀屋久兵衛は新町の郭の松山太夫に心奪われ、毎日通い続けたあげくに気が狂ってしまい、
座敷牢に捉えられて妄想夢を繰り広げる。
踊りが中心のこの演目はさすがに眠気が募ってしまった。(^_^;)ゴメンナサイ

「封印切」ふういんぎり
亀屋の忠兵衛は井筒屋の遊女梅川と良い仲。だが身請けの金が払えずに困っている。
金を持って身請けにきた八右衛門の嘘偽りに腹をたて、公金でありながら預かった金の封印を切ってしまう。
その罪は重く斬首は間違いない。忠兵衛と梅川は死ぬ覚悟にのぞむ・・・
LOVEだな〜〜でもあまり現実味がないのは古典だからだろうな。 心中自体が今では美談にならない。

☆夜の部

「傾城反魂香」けいせいはんごんこう
絵師、土佐将藍光信の弟子修理之助は名筆の絵から抜けだした虎を同じく筆で抑え込む。
その褒美に修理之助は土佐の苗字と印可の筆を貰い受ける。
修理之助の兄弟子の浮世又平はそれがうらやましくてならない。
吃音の又平は必死で請い願うのだが。。。。
最後の絵画が念を持って手水鉢を通り越すというのはわくわくするも笑ってしまった。
徐々に濃くにじんでくる演出はお見事。

「奴道成寺」やっこどうじょうじ
娘道成寺のように艶やかで華やかさはないけれど、背景の華やかさは素晴らしかったし、
なんといっても橋之助丈の奴舞いは見事だった。 
また眠気がさすかと思ったけど、飽きない構成で最後までおもしろく観れた。

土屋主税」つちやちから
人気演目、赤穂浪士の討ち入りに関係する作品。
浅野内匠頭の家臣、大高源吾は討ち入りの直前に俳諧の友である其角を訪ねる。
次君に仕えるという源吾に其角や同席の基月は嘲りの面もち。
其角の「歳の瀬や水の流れも人の世も」という餞別の句に「明日待たるるその宝船」と返句した源吾。
歯がゆいばかりの展開だったが第二場の土屋邸で討ち入りの報告に痛快な気持ちになった。
其角たちの愕きも愉快だったが主税の俳句から読み取ったり!のドヤ顔も愉快痛快♪

歌舞伎を1日で昼夜観たのは初めてだったけど、観劇の緊張が途切れなくて意外に良かったかも。
これからはこれで行こうかな。A席はお高いけど、C席なら昼夜で1万円。コスパ抜群!