「六月博多座大歌舞伎」 博多座


16時〜 5000円 

夜の部

恩讐の彼方に
有名な「青の洞門」の話を元に書かれた菊池寛の作品。すぐに舞台化されている。
青の洞門は子どものころに読んでとても記憶に残っている。もしかしたら映画だったかな?
マンガでも読んだ気がする。教育的な話ということだろう。
あの時代の敵討ちの多さに驚く。親兄弟の血の濃さと主従関係の重さ。ばかばかしいと切り捨てるのはダメだよね。
NHK大河ドラマの「黒田官兵衛」にもみられるそれって究極だなと思うもの。

さて、主君を殺した市九郎、出家して了海を名乗る。(梅玉丈)
罪滅ぼしの気持ちで、難所の耶馬溪の洞門を掘りぬく覚悟をする。
数十年も槌をふるいじわじわと掘ってきたが彼を親のかたきとする中川実之助(翫雀丈)があらわれ、かたきを討とうとする。
覚悟をして首を差し出す了海だが、周りの止めによって貫通までの猶予を得る。
何度も了海を討とうとする実之助だが、やっぱり討てない。不思議な縁のまま貫通の日を迎える。
安堵の了海はこれで最後と思ったけれど実之助は仇討に意味はないと悟る。

究極のハッピーエンド、周りの客はぐすぐす状態。カッコ悪いわ〜と思いながらも自分も涙腺崩壊。くそっ。。。
史実なのか伝説なのかはよくわからないけど、やっぱりいいよね、こんな作品。

船弁慶
源頼朝に疑われ、九州へ向かった源義経翫雀丈)と弁慶(愛之助丈)が義経最愛の静御前染五郎丈)
に都へ戻れと諭す。舞を舞って、自分の気持ちを伝えた静御前。そして船出の時の嵐の中、平知盛の亡霊が浮かび出る。
染五郎丈二役) 弁慶の数珠揉みがとても印象に残った。怨念もかなわないときがあるのだな〜

☆鯉つかみ
片岡愛之助宙乗りならびに本水にて立廻り相勤め申し候、と書いてある。本水とは本当の水を使うということだ。
休憩中に一階を見ると四列目までビニールシートを配っていた。それオーバーやろ(^_^;)

一目見た男に恋した小桜姫(壱太郎丈)は恋の病に落ちる。偶然に再会した彼は滝窓志賀之助(愛之助丈)
だがそれは鯉魚の精だった。キーになる刀が竜神丸。ほんものの志賀之助と鯉魚の精との戦いが始まる。
本水を使い、見事に笑える鯉の着ぐるみ。これけっこう面白かった!!尾っぽが回るところとかけっこうリアルだった。
水の中でくんずほぐれつの戦い、水をまきちらし、2列目くらいまでは結構水がかかったかもしれない。
ラスト「泳ぎ六方」で花道をはける志賀之助。最初のほうしか見えなくて残念。やはり一階で観たかったな。

今回の歌舞伎はTVでは観てなかった愛之助丈と、同じく熟年に入ってきた染五郎丈、かなりの色っぽさの中村壱太郎丈、
そしてよくぞここまでと坂田藤十郎丈と嵐橘三郎丈をリスペクト。もちろん他の役者さんもすごく良かったんだよ〜^^;