13時〜 10000円 NODA・MAP
脚本・演出 野田秀樹
坂口安吾の「桜の森の満開の下」と「夜長姫と耳男」を元に野田秀樹が描き下ろした戯曲がこの
「贋作(にせさく)・桜の森の満開の下」 公式サイトで天海さんのトークを聞くまでは「がんさく」だと思っていた。
え?今「にせさく」って言った?言ったよ? それにしてもなぜ??
ああ、誰かと得意げに話す前で良かった、 野田さんらしいな〜 これって知ってる人と知らない人を線引きする何かなのか。
それは置いといて、初めて野田芝居を観たときにセリフがめちゃくちゃ早い!と思ったことは少し和らいでいた。
でも、言葉の美しさ、可憐さは同じで、まるで詩のようにうっとりと心の中に入ってくる。
あまりの美しさに眠気が誘われたのは別の理由か(眠
狂気の世界は凡人に理解などできるわけがないけれど、なんとなく憧れのようなものがある。
自分もこうであったら、こう思えたら、こう思ってもらえたら、なんてね。
野田秀樹の世界感が広がる舞台ってすごく現実味があるくせに、はてしなく遠い。
33歳の野田秀樹の世界が30年以上も息づいているという現実。
同年代のこの天才は必ず自分も出演するんだけど、小さくて子どもみたいで可愛い。
ほんとに純粋なんだと思う。怒りも喜びもストレートに伝えてくる。
なぜか懇意とされている山中伸弥さんとの対談がパンフレットに載っていた。
このお二人は似ている。まっすぐでまっさらで、大変なことをちっとも顔に出さないで。
夜長姫の「好きなものは、呪うか殺すか争うかしなければならないのよ。」
耳男に殺されるのは愛された証なのだ。たとえ「いやあ、まいった、まいった」と言われても。
舞台いっぱいに広がる桜の花吹雪。恐ろしいほどの豪華さと冷たさだ。
2001年再演のときと同じキャストは夜長姫の深津絵里。エンマの大倉孝二、マナコの古田新太。
20年近く前の作品にまた出演するってどんな感じなんだろうな〜
それだけ再演を望まれていたということなんだろうね、よかったわ再演してくれて。
そして天海祐希のオオアマがめちゃくちゃかっこよくてホレボレ。
秋山奈津子、池田成志他あまりに豪華すぎる出演者陣に溺れる。
北九州2DAY、これは両日観たかったな。
ちなみに1989年の初演では夜長姫を毬谷友子。あまりにもどんぴしゃのキャストである。
毬谷さんは未見なのだけど、そのうわさはあちこちで聞いていていつか観てみたいと思っている方。
宝塚出身とは意外だ。今でもすごくお美しくてフリーで活躍の模様。
最後にパンフレットの野田さんの巻頭挨拶が秀逸。ユーモアを交えた現代への批判がちくり。すごい。。。
キャスト
耳男 妻夫木聡
夜長姫 深津絵里
オオアマ 天海祐希
マナコ 古田新太
ハンニャ 秋山菜津子
青名人 大倉孝二
赤名人 藤井隆
エノコ 村岡希美
早寝姫 門脇麦
エンマ 池田成志
アナマロ 銀粉蝶
ヒダの王 野田秀樹