「芸人と兵隊」 ももちパレス

2019年2月4日(月) 

18時半~  4000円(シアタークラブ割) トム・プロジェクト プロデュース
 
作: 古川健
演出:日澤雄介

日中戦争中に戦地に派遣された慰問団「わらわし隊」。
昭和16年春。あるベテラン夫婦漫才師が、中国大陸への慰問の旅に出る。
芸人を続けるには、戦争に協力するしか方法がなかったのだ。
夫婦や芸人仲間たちは前線近くまで旅を続ける。
兵士に笑いを届けることで、再び芸人としての喜びを感じていた。
そんな旅も終わりに近付いたある日、慰問団は遂に戦闘に巻き込まれる......。(ちらしより)

ももちパレスはいつもの観客層と違う。市民劇場のような高齢の方々が多かったような。
定価が5000円で戦争中の話しとなれば、華やかさが少ない分若い人の観劇が少なかったのかもしれない。
主役は柴田さんと村井さんなので、すごく豪華なんだけど、それでも後方の空席がめだったのが残念だ。

とても感動的な話しだった。戦争の戦いの場面は実際には出てこないのだけど、
暗い時代なのに、明るく振る舞う慰問団の面々に涙が出そうだった。
観客は年輩の方が多かったけれど、もう戦時中の世代の人は少なくなっているだろうな~
やっぱり若い人に観てもらいたい作品だった。
去年のNHKの連ドラの「わろてんか」にも似たようなエピソードがあったので、なつかしく観た。
芸人は戦時中でも平和なときでも笑わせることが命題だ。
仕事とはいえ、そのプロ根性には恐れいる。

漫才コンビ、落語家、女性漫談家、それぞれの思いや現実がとても胸に迫ってきた。
実際に慰問中に亡くなることもあったのだろうな。そんな無名の人も多かったに違いない。
全国公演を続けているトム・プロジェクトだけど、学校でも見せてあげられるといいなと思う。

ちなみに作、演出の二人は劇団チョコレートケーキの団員。
私は映像で「あの記憶の記録」と「熱狂」を観てすごく感動した。
そして、今年のキビるフェスティバルでの公演がある。企画、主催者に感謝です。
楽しみでしょうがない。

キャスト
花畑良子  柴田理恵
桂銀作   村井國夫
春田左近  カゴシマジロー
柳家亀鶴  髙橋洋介
春田右近  向井康起
祇園桜子  滝沢花野

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