「獣の柱」 シアタートラム

2019年5月24日(金) 

19時~  5000円 イキウメ

作・演出 前川知大

あらゆる都市に降り注いだ巨大な柱。
柱は人々にあきれるほどの祝福を与え、静寂のうちに支配した。
世界は大きく変わった_。

ある日、アマチュア天文家の二階堂は、小さな隕石を拾います。
その隕石は、見る者に恐ろしいほどの幸福感をもたらしました。
夢中にし、思考を奪い、自分で目をそらすことはできません。
一人で見たら最後、死んでしまうまで見続けることになるのです。
そして、隕石が落ちた後、空からは巨大な柱が降り注ぎました。
それは人々にあきれるほどの祝福を与え、静寂のうちに人々を支配しました。
柱は人間に何を課し、何から解放したのか_。(こりっちより)

なかなか福岡で観れなくなったイキウメをタイミング良く観れた。
タイトルだけでは再演とは気がつかなかったが、舞台を見ているうちに気がついた。
但し、以前観たものとは若干改訂されているようだ。
この劇場は初だったけれど、西鉄ホールより少し小さい感じで、
イキウメの舞台にはちょうどいい大きさだった。
ロビーが円形で、入口などが中世の建物の感じ。
雰囲気のいい劇場だった。

聖書の中の予言を実感するような、世界の滅亡に向かって戦う(?)
というより逃げ回る小市民の話、うん前回もそうだった。
遠い世界のことのようで、意外に身近な感じがする、現実味のあるSF。
とても怖いのだけど目を離せない。ふざけた会話や笑を誘うやりとりなども
イキウメらしいテンポの良さで、2時間超が短く感じた。

浜田さん、安井さん、盛さん、森下さん、大窪さんは安定した演技で魅せる。
あれ?10年以上前からこのメンバーは固定だよね?
ロビーで前川さんもお見かけしたけれど、本当に昔と変わらない。
芯がぶれない息の長い劇団だと思う。

以前にも同じ演出があったかどうかは覚えていないけれど、
一番、印象に残ったのが(芝居の本質とは違う部分かもしれないけれど)
人口を減らすために何歳か以上を対象に柱の生贄を募るというセリフ。
間接的な安楽死斡旋。痛みもなく幸せな気持ちで生を終えることができる。
  いいな。。。と思ったのは私だけではないと思う。
もしかすると演劇的にも増えてくるテーマかもしれない。

次はいつ福岡にきてくれるだろうか。

キャスト
二階堂望  浜田信也
山田輝夫  安井順平
有馬 他     盛隆二
時枝 他     森下創
藤枝、山田和夫  大窪人衛
二階堂桜  村川絵梨
蘭、山田聖子   松岡依都美
島忠     薬丸翔
神崎恵 他    東野絢香
佐久間 他    市川しんぺー

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