「ある町の高い煙突」 映画

2019年6月27日(木)イオンシネマ大野城

9時20分~ 1100円

原作 新田次郎
監督 松村克弥

茨城県久慈郡の裕福な地主の家に生まれた関根三郎はある日、
隣村の日立鉱山による煙害が発生しているという話を耳にする。
そこの採掘権は三郎の祖父、兵馬が30年前に許可したものだった。
三郎は進学も外交官の夢も捨てて、煙害に立ち向かうことを決意する。
(映画紹介サイトより)

地味な作品だったけれど、とても心に沁みいった。
公害は私の年代で言えば、水俣が一番被害が大きいイメージがあるけれど、
全国各地で高度成長期の時代にいろんなことが起こっていたと思われる。
それらと向き合った企業や住民、そして国。
それぞれの立場で少しでも譲り合おうとしている様子が見える今回の作品は
とても安堵するものだった。そういうものばかりではないのだろうけれど。
今でも裁判などで目にするものは長い時間苦しんできた者たちの叫びの方が強い。
どうしても弱者には不利になってしまうのだろうか。

経済を発展させるために害もやむなしという考え方はいいのだろうか。
原子力発電も同じような気がする。人類の為なのか企業の発展の為なのか、
今でもわからない部分が多い。
直接の当事者でなければ深刻さも薄れてしまうけれど、
今後、当事者にならないとも限らない。
いろいろ考えさせられる映画だった。

役者さんも老若そろい踏みで、熱のこもった演技ですばらしかった。
監督はまだ若い方だったけれど、いろんな映画やTV作品を作り出している
方らしい。胸に迫るものがあった。

キャスト
関根三郎(関右馬充) 井手麻渡
加屋淳平(角弥太郎) 渡辺大
加屋千穂                      小島梨里杏
木原吉之助(久原房之助) 吉川晃司
関根兵馬                      仲代達矢
志村教授                      大和田伸也
ふみ                             小林綾子
如月良之輔                  渡辺裕之
深作覚司                      六平直政
関根恒吉                      伊嵜充則
大平浪三(小平浪平石井正則
八尾定吉                      螢雪次朗
権藤                             斎藤洋介
遠山景織子
平林左衛門                   篠原篤
孫作                              城之内正明
大和田健介

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