「神の子」 福岡国際会議場

2020年1月13日(月)

18時~ 8800円  株式会社コムレイド

作・演出 赤堀雅秋

世田谷の狭い道をフェラーリが走る。
自転車の老人が「うるせぇな」と呟きアスファルトに唾を吐く。
駅前のロータリーで無職の中年男がすれ違った会社員を傘で刺す。
すれ違った際に会社員のカバンがぶつかったと言う。
2千万円の腕時計をチラつかせながら芸能人が田舎の老婆に涙を流す。
政治家がツイッターで独り言を呟き、女子高生は爪を見る。
冷房の効き過ぎる喫茶店でヤクザが少年ジャンプを熟読し、
5歳の子供が汗だくで歩道を走る。
「冗談じゃねぇよ」と何度も呟きながら子供が走る。
風俗嬢が引退を決意し、高校教師が下着を盗む。
警察官は証拠の下着をブルーシートに丁寧に並べ、
冷房の効き過ぎる喫茶店でヤクザがカフェラテを飲む。
小惑星が地球に接近。
皆、等しく神の子。
(こりっちより)

池田(大森南朋)、五十嵐(田中哲司)、土井(でんでん)。
路上で警備員として働く3人は、行きつけのスナック、
趣味のパチンコと常に一緒にいる。
3人そろって独身で貧乏。
目的も展望もない生活にウンザリしつつも、抜け出すほどのヤル気はなく、
漠然とした不安の中でただ日々をやり過ごしていた。
ある日、池田に若くきれいな田畑(長澤まさみ)と斎藤(石橋静河
という二人の女が声をかけてくる。
彼女らの誘いを受け、池田は街頭でのゴミ拾いボランティアに参加することに。
呆れるほど単調な日常の中に小さな変化が兆す。
田畑との出会いにほのかな夢を見る池田。
それは、男たちにとって幸か不幸か……。
(公式サイトより)

ストーリーは公式のほうがわかるけど、こりっちの解説がちょっと面白かったので
書いてみた。なんだかひどい世の中だけど神っているのかな。。
自分では神とか信じないほうだけど、都合のよいときは頼りたくなるものだね。
信じるものは救われるのかな。。。

チケット発売のころにテレビで大森南朋主役のドラマを見てはまっていた。
たぶん、舞台でも観たことをある役者さんだ。麿赤児の息子なんだよね。
お相手は長澤まさみちゃん、これは見逃せない。
きっと1月の寒~~い時期に胸に突き刺さる芝居を観れるのではないか。

はい、ぐさ=っと突き刺さったけど、思ったよりコメディ感もあった。
警備員の3人は人間味があって、複雑な心境を笑いをとりつつ表現していた。
南朋さん、でんでんさん、哲さん。ベストキャストだと思う。最高!

まさみちゃんは本当に可愛い。太りやすいというセリフは本当ではないかな。
見た目はやせてるけれど、顔は丸い。背は高くて顔は小さい日本人らしい女優さん。
石橋静河ちゃんはシーナ役と律の奥さん役wで初めて観た2世俳優さん。
上手いね~ やっぱり血は争えないってことだ。
バレエはかなりやっていたと見えて普段着で踊っているのにすごくきれい。
ほれぼれと見惚れていた。
ママ役の江口のりこさんは見ごたえがあった。人間って逆の立場になったら
自覚しないものだけど、「私、土井さんと同じだ」って常識人やw

作・演出・自転車男で出演の赤堀さんは初見。
いや~かっこいいな~~松尾スズキさんと似た匂いがする。
あのナイフは実用的ではなかったような。。 殺人の残虐さを弱めたのかもね。
こういう作品好きだな~ また違う作品を見てみたい。

大きな劇場だけど、2列目だったのでよかった。後ろの方だったらどうかな。
年の初めにいい芝居を観た。幸福。


キャスト
大森南朋長澤まさみ、でんでん、江口のりこ石橋静河永岡佑、川畑和雄、飯田あさと、赤堀雅秋田中哲司

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