「蝶のやうな私の郷愁」 ゆめアール大橋大練習室

2021年1月30日(土)

14時~ 2500円  ひなた旅行舎

作 松田正隆
演出 永山智行(劇団こふく劇場)

台風が近づくある夕方、そのアパートでは、
男と女がいつもの暮らしを、いつまでも続けていた。
雨が降り、風が吹き、二人はやがて何を見つけるのだろうか……


この作品は「キビるフェス2021」の参加作品だ。
去年はちょうどコロナ感染者が増え始めたころに開催された。
たった一年前だったんだな~~
ぎりぎりですべて観れた。その後1回目の緊急事態宣言が発令されて、
演劇もライブも映画もほとんどのエンタメは中止となった。
オンライン配信で少し戻ってきた部分はあったけれど、
やはり追いつかないし、もやもやした感じが残る。
コロナの正体も少しづつわかるようになって、
現在、2回目の緊急事態宣言発令中。
数値的には1回目よりはるかに悪いのだけど、
対策がかなり徹底されるようになって、心配事もかなり減った。

公演延期を乗り越えての今回の舞台はとても見ごたえがあった。
KAKUTA所属の多田ちゃんは何度か戻ってきていたのだけど、
2~3回観たかな?変わらないな~と思っていた。
今回はさらにパワーアップしていて、『ひなた旅行舎』の一人として。。。
うーんと。。稽古はどこでやったのだろう?他の2人は宮崎県人ではないか。
まあ、あまり深いことは考えまい。
コロナの感染防止でオンラインでいろんなことをやり始めて、
日本中が近くなった感じがするのは唯一よかったことか。
それでも、ここまでこぎつけたのは本当に大変なことだっただろう。
その熱意に頭が下がる。

なにげない家庭内の様子を表しているのか、
ちょっと昔の夫婦の様子がなんとなく身近に感じられる。
タバコを部屋で吸うとか今では普通に考えられない。
マンションのちらしを観て、雨漏りのする家を引っ越したがってる妻。
わけありの姉との関係を妄想しつつ、踏切事故は厳しいなと思う。

積み木のような木切れを食器や食べ物などにみたてての食事シーン。
停電時のろうそく、金魚、雨漏り、などなど目の前に浮かぶ。

エスタデイワンスモアの歌が象徴的で、何かが起こる前。
普通であることがどれだけありがたいか。
今の状況にも通じる作品だ。意図していたわけではないだろうけど。

多田ちゃんはこれからも東京中心で活動していくのだろうな。
それでも、ひなたを作ったり、福岡公演で戻ってきたりと、
故郷にもかかわりながら、忙しい日常を過ごすのだろう。
頑張って、応援しています。

キャスト
多田香織(KAKUTA)
日髙啓介(FUKAIPRODUCE羽衣)

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