「六月博多座大歌舞伎」 博多座

2022年6月17日(金)

11時~  5000円  松竹

昼の部

一、橋弁慶

五条大橋で通る者を斬る牛若丸(中村萬太郎丈)
それを退治しようとする弁慶(坂東彦三郎丈)
女性にも見えるかぼそさながら、身軽に弁慶を打ち負かしてしまう牛若丸。
昔、絵本でみたシーンだったけれど、牛若丸は人斬りだったなんて意外。
歴史やドラマの書くそれはいろんな解釈がなされていてとまどうことがある。

二、鷺娘

人間に恋をした鷺が女の姿(尾上菊之助丈)で、恋しい思いや昔を思い出し舞う。
道ならぬ恋に最後は地獄の責め苦のはてに息絶えてしまう。
なにも地獄の責め苦まで与えなくてもよかろうと思うが、苦悩の踊りは
悲しいくらいに美しい。

三、義経千本桜 すし屋

義経千本桜はいろんな場面を観たけれど、すし屋の場面は初めて。
いがみの権太(尾上菊五郎丈)は母親から金をだましとるほどの悪党だった。
しかし、父が奉公人としてかくまっている中将維盛(中村時蔵丈)を救おうと
自分の妻子を差し出し、死へ覚悟をも持ったのは遅すぎた改心だったのだろうか。
権太の妹、お里(中村梅枝丈)の維盛への可愛い愛情表現や、権太の妻子の
決死の思いなど、不条理ながら胸を打つ。 いつの時代も愛が大事なんだな~

かなり空席が目立った昼公演だった。まだコロナの影響は続いているのだろうか。
以前は客席や休憩所でお弁当が食べられたけれど、今はレストラン内でないと
食べられない。少し緩和してもいいのではないかと思う。