「声優魂」福岡市赤煉瓦文化館

teru10162016-06-15


19時〜 演劇書を読む会

大塚明夫 著

「声優になりたい奴」はバカである。

ベテラン声優の大塚明夫が声優志望者に進言する、過激な著書。
確かに職業、声優は存在しないかもしれない。
私が知っている福岡の声優さんは舞台俳優さんがほとんど。
兼務しているというイメージだ。

それにしても終始一貫しているのはやめておけというものだ。
最初はずいぶん傲慢な言い方だなと思ったけれど、
これも声優界を長く見てきた者の優しさなのかなとも思う。

私には声優と俳優の差はいまいちわからないところがあるのだけれど、
定職として安定した収入を得られるものではなさそうだ、という認識はある。
読書会でも言ったけれど、仕事の中にはスポーツのプロや芸術家(俳優も含む)
というくくりの職業で食べて行ける人はごく少数の人だけだ。
だから声優には限らない、安定を選ぶ大勢とごく一部の厳しい世界との対峙。
サラリーマン家系の私にはおよそ考えられないそれはそれは厳しい世界だと考える。

ただ、どんな仕事も楽なものはないけれど、
魂をかけられる仕事(趣味)があることは幸せなことだとつくづく思う。
福岡には声優の養成所は多くあるようだ。
声優になりたい人には必読ですね。

次回は惜しまれて亡くなった蜷川幸雄氏の「演劇の力」
最後の最後まで仕事場に居続けた彼こそ本当のプロと言えるのだろう。