「空飛ぶタイヤ」 映画 

teru10162018-06-22


1100円

原作 池井戸潤
監督 本木克英 

夫がはまっている池井戸潤。去年あたりから私も一緒に結構読んだ、半沢シリーズもテレビドラマでブレイクした後に読んだ。
この作品は2006年に書かれたもの。設計ミスをひた隠しにする大企業のいやらしさに辟易して読んだけれど、
ちゃんと解決して良かった。でもきっと現実にはうやむやになった事件も多いのではないだろうか、と推察できる内容だった。
組織が大きくなれば目が行き届かない。いくら創設者が志が高い人であっても巨大化するほど細部に目が届かなくなる。

赤松運送のトラック事故により一人が亡くなったが赤松社長は整備不良でなく、構造の欠陥ではないかと過去の事例などを調べてまわる。
トラック製造元のホープ自動車内部でもリコール隠しを疑い、内部告発が行われる。
そしてマスコミからの援護もあわせて、巨大組織の膿がつぶしだされた・・・

かなりの長編だったけれど、印象的なエピソードだけ取り出し、早まわしの展開で約2時間強におさめきった。
細かい部分を飛ばしているので、拍子抜けの部分もあったのだけど、総じて面白い仕上がりだった。
役者も善、悪両方でとても上手い役者さんをキャスティングしており、見ごたえがあった。

赤松社長に長瀬智也。 ホープ自動車の沢田課長にディーン・フジオカ
すごくカッコよくて、何もかも対照的な二人が最後まで交わることはないけれど、
それぞれの信じることに対して、かなり歩み寄る部分がこの作品の醍醐味だった。
温かい家庭と職場のメンバーに恵まれた赤松と真逆で、家庭に恵まれず職場でも孤立させられる沢田だったけど、
同じ意識の仲間と信念をつらぬいたことが救いの展開だった。

それにしてもホープ自動車はあの巨大自動車メーカーを思わせる部分が多々あったのだけど、大丈夫だったのかな。。
そうでなくても不正が発覚している自動車メーカーが色々ある時期に。。。
いや、だからこそ堂々とモデルになったのかもしれないね。
しかし、課長クラスの飲み会がいつも高級レストランだったのには驚いた。
居酒屋でしょう?普通はw

ホープ銀行の井崎(高橋一生)も簡単に稟議を出さない強さがほれぼれするほどかっこいい。
昔、つきあいがあったらしい記者の榎本(小池栄子)との会話も面白い。

ほんの数分の出番で、多くの有名な出演者がいて驚く。クレジットをみると、
スタッフも含めてこんなにたくさんの人が関わっているんだといまさらながらに驚く。
映画ってすごいな〜 ちゃんとリスペクトして観ないといけないね。


主なキャスト

赤松徳郎  長瀬智也
沢田悠太  ディーン・フジオカ
井崎一亮  高橋一生
赤松史絵  深田恭子
狩野威   岸部一徳
宮代直吉  笹野高史
高幡真治  寺脇康文
榎本優子  小池栄子
門田駿一  阿部顕嵐
小牧重道  ムロツヨシ
杉本元   中村蒼