「仮面劇 小栗判官・照手姫」 福岡市立中央市民センター

2020年3月18日(水)

18時40分~ 演劇の映像を観る会

●今回見る演劇映像
横浜ボートシアター「仮面劇 小栗判官・照手姫」
(脚本・演出:遠藤啄郎 1985年、130分)

「仮面劇 小栗判官・照手姫」は1982年初演の横浜ボートシアターの代表作で
紀伊国屋演劇賞を受けています。
中世の語り芸 説経節をほぼ原文通りに用いながらも、
独自な解釈と実験性に富んだ演出により、
時代・地域・文化への帰属を越えた同時代演劇として
見事に劇化することに成功しています。
(薙野さんのレジュメより)

先月に亡くなられた遠藤琢郎さんの作品だ。
博多座スーパー歌舞伎の「オグリ」が上演された時期と同じで、
内容の比較などが鮮明にできて非常に興味深かった。

歌舞伎のそれは小栗判官に視点を集中して作られたものだったけれど、
こちらは題名にもあるように、照手姫との2人が中心となっているような
気がする。
スーパー歌舞伎より原作に忠実なのか昔の言葉使いで、理解不能なセリフも
多々あったけれど、雰囲気でなんとか理解した。
ほとんどの出演者が仮面をつけているので、まずその部分に視線がとどまる。
もちろん、全く表情が読み取れないというのは不気味なのと等しく
いろんな想像が深まる。セリフが難解なだけに必死で観てしまう。
衣装もかなり凝った作りで和装の重厚な生地を使ったもののようだ。

劇団のHPを読むと仮面にこだわる理由が細かく紹介されている。
なるほど思う、しかしその継続はとても難しいものだろうな。
仮面の創作もほとんど遠藤氏がされていたそうなので、
今後の活動の行方が見守られる。

映像を観る会ではその場で観る以外にいろんな演劇の映像作品を教えてもらえます。
奇数月の第3水曜日に開催。

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