読演118「ジュール叔父」 アトリエ戯座

2020年10月10日(土)

15時~ クラウドファンディングリターン券 (有)演戯集団ばぁくう

作   ギ・ド・モーパッサン
読演  佐藤順一

パリの街角。みすぼらしい物乞いに彼は、5フランも恵んでやった。
驚いた顔をした私に、彼ジョゼフ・ラブランシュは静かに話し出した。
幼いころの・・・彼の一家にまつわる思い出・・・。
(5フランは現在の日本の勝ちでおよそ5,000円。)
彼は、ル・アーヴルの出身。フランス北西部、モーパッサンの故郷の港湾都市
その港町で、ジェルセー島への家族そろっての小旅行。
すると、なんとその船上で・・・!
(ちらしより)

今回も30分ほどの短編だった。
子供のころの体験はそのほとんどを忘れているけれど、激しく記憶に残って
いるものもある。それが真実かどうかも怪しいものだけど。

ジョゼフにとって、やくざ者で国から追い出されたジュール叔父が
成功して、金持ちになって戻ってくるということは、
夢のようなサクセスストーリーだったのだろう。
親も当然、期待していたのだろうけど、ジェルセーへの船上で彼らしき
人を見つけたときの落胆ぶりはこれぞ手のひら返しといったところ。

優しいジョゼフはチップも与え、「叔父さん」と呼びたかったということ。
それから物乞いにあると恵んであげているという。

ふ~む。アメリカンドリームがそんなに昔からあったとは知らなかった。
現在はカオスのような状態になっているようだけど、まだ存在しているものなのか。

それにしても、かなりの時間、「牡蛎」のことを「柿」と思っていた私は
耳音痴だよな~(^^;  たかが柿を剥くだけの仕事があるのか?と思ってた。

佐藤さんの声はよく通るし素敵だ。もちろん演技も大好きなので、
また読演だけでなく、上質なお芝居が観たいものだ。

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