「イヌの日」 ももちパレス

19時〜 6000円 阿佐ヶ谷スパイダース
阿佐スパだから覚悟していたが、それを上回る気分の悪さだった。それはひとつに母親と息子の確執部分が大変重要な部分となってたからだろう。子供を溺愛する母親、たとえ子が犯罪を犯そうと、蔑まれようと、体を張って守り抜こうという母親。それが結果的に子をダメにするとはいささかもががつかず、哀れにも子にも利用されてしまう母親のさが・・・どうしても自分と重ねる部分があり、ここに意識が集中してしまった。もちろんほかにもいろいろな人間関係が表されているし、社会的な現状に対する警告等もあった。でも、中津親子演じる美保純、伊達暁に目がいってしょうがなかった。内田滋はかっこよかったし、劔持たまきは可愛かったし、八嶋智人は味があったし、中山祐一朗は魅力的で、長塚圭史はよく演出しながらこれだけの演技ができるものだとびっくりした。重苦しい内容でたまに笑いを取る場面で観客は救われたように笑った。3時間弱(休みなし)の公演があっと言う間であった。口惜しいが長塚ワールドに引き込まれてしまった(^^;; 今回のパンフレットはなんと小説のような文庫本サイズのものであった。中身も小説。それによると初演(2000年)では母親はいなかったらしい。母親が増えたから救われたか、ますます悲惨になったか・・・・後者だなと思う。12.24広島で最終公演、どこも満員であっただろう。