「蒲団 -futon-」 西鉄ホール

19時〜 福岡演劇フェスティバル共通チケット のこされ劇場≡
田山花袋の「蒲団」をモチーフにした話。「蒲団」を元にした作品を作ろうと苦しむ、劇団プラスチップの作家、演出家である中原了一。作品を作ったり演出したりする過程で昔の「田山花袋」や、花袋の書いた「蒲団」の中の「竹中時雄」と交錯していく。とりまく妻や劇団員も同様に。一見複雑そうだが、実に単純に重なり合っており非常にわかりやすいSF作品だった。蒲団は昔読んでいたはずだが、まさかこんな内容だったとは思いもせずに、うまく現代版と組み合わさっておもしろい展開となっていた。主役は飛ぶ劇場の寺田さん、静かで派手さのない方なのだがいつも劇の中にぐ〜〜〜っと引きずり込んでくれる。印象に残る大好きな役者だ。「冒険王」や「IRON」での好演が思い出される。ほかの役者もうまいな〜酒瀬川さんもいつもどおり元気だし、沖田さんはエキゾチックだし、森さんは可愛い(せりか男性諸氏に好評間違いなしw)いつも印象が女性上位の「のこされ」だが今回初めてみた井上さんは体操選手だったのか、あの舞台狭しと床演技をする。明石さんも2枚目役としてはいい感じだった。男女ともうまくバランスがとれて舞台演出も「蒲団」当時を彷彿とさせる和風の舞台や衣装で心地よかった。先日から演劇フェスをぶっ続けで見て、福岡はやっぱり中央の劇団にはかなわないのか〜・・と思いかけたが「ギンギラ太陽’s」や「のこされ劇場≡」は十分に対抗できると思う。終演後の挨拶で3年やってきたという市原さんが感激でことばに詰まってしまった。それだけ自信作だったのだろう。役者もその思いはしっかり出せた作品だったと思う。アフタートークにちらしを書いた漫画家の方が出ていたらしいが、先週痛めた腰が悪化してきてたので早々に帰った。うーん、残念・・(^^;;