「歌わせたい男たち」 まどかぴあ

teru10162008-04-30

19時〜 5000円 二兎社
すごいの一言! 全く前知識なしで観にいったら予想とまるで違う話(^^;  舞台は学校、卒業式の朝、新人の音楽の先生(戸田恵子)はあだなが「ミス・タッチ」ピアノが下手で卒業式での伴奏を苦にするあまり立ちくらみ?を起こし保健室へ。そこで養護教諭小山萌子)や校長(大谷亮介)英語教諭(中上雅巳)らが卒業式について心配している。 社会教師(近藤芳正)がずっと国家斉唱に対して、不起立、不斉唱を主張して先生達を困惑させているのだ。実は校長も以前は「内心の自由」をスピーチに入れていたくらい、生徒に自由であれと唱えていた。年月は過ぎ、過去の文言を間違っていたといい、国歌斉唱時に不起立の者がいれば、屋上から飛び降りて自殺する、とまで言い切る。 若い英語教師は自己保身のためか、校長や学校寄りの発言や行動をとる。 同僚である社会教師の心配をして忠告していると言うのだが、本心はどうなのか・・作・演出の永井愛は二兎社サイトのプロフィールで「身近な場や意識下に潜む問題をすくい上げ、現実の生活に直結した、ライブ感覚あふれる劇作を続けている」とある。 今まで見たことがなかったのだが、(K2T3がやった「カズオ」だけ?は見たが)まどかぴあでは何度か上演されていた。 相当笑えるだろうと期待して行ったら、笑いもしたが実に考えさせられるテーマだった。 2003年の「10.23通達」事件は子供の学校のPTA役員としてかなり密に学校と接触していた時期だったのでそれまで柔らかな絵画を卒業、入学式で壇上に掲げていたものが、日の丸に変わってしまってすごく異様な感じがしたものだった。 たまたま子供の学校では不起立、不斉唱の先生はいなかったし、保護者もそういうことに意見するものはいなかったので、そのままだったのだが。 私自身は(ここで書くことではないかもしれないが)起立はするが歌わないという消極的反抗を自分で選び、ずっとそれでやってきた。 それは昔とても尊敬する先生がいてそういう立場だったから、とだけ言っておく。 徹底抗戦をする社会教師も考えの揺らぐ校長も、一般的傍観者である音楽教師もとてもうまく描かれていた。 多くの国民がそうである傍観者(音楽教師)を主役にしたことで広くからこの作品が愛される理由がわかる。 みんな立場は違えども信じることに一生懸命で切なくなるけど。 どうしてこう人間とは不器用か。 思想なんかそれぞれでいいと思うのだが。。。。 ま、教育委員会を完璧な悪役にしているこの作品は本当にすごい!ww 関連して「ヤスクニ」の上演が問題になっている昨今だが、いいじゃないの、他にもっと大きな問題、山積でしょ?と言いたくなる。今年4月にして、NO.1演劇です☆