「白波の食卓」 西鉄ホール 

teru10162008-05-03

18時〜 2000円 劇団HIT! STAGE
福岡演劇フェスティバルチャンス枠作品のひとつ。 Hole Brother'sと一緒だが、あちらが複雑な心理を抽象的に表現していたのに比べストレートに感情を表現していてわかりやすかった。 どちらが良いとか悪いとかは言えないがちょっと疲れているときはわかりやすいほうが頭に入りやすい(私の場合) ポイントは「家族のきずな」かな。 佐世保の海でナツヒコはの姉の親友の弟(信太郎)と泳ぎに出て事故で亡くなった。 残った姉妹や信太郎姉弟らがそれぞれの立場でその死を境に自己責任を感じ、ぎくしゃくしている。 5年ぶりに集まったみんなは思いのたけをそれぞれ叫び、そして納得して自分の道へ帰っていく。 姉(祥子)は久しぶりに東京から帰ってきた妹(基子)とその友達(美咲)の自分勝手な振る舞いに声を荒げる。 信太郎とその姉(愛実)は良心の呵責から自分らを責め続ける。 どんなに考えてもどれだけ時間がたってもどうしようもないことってあるのだ。 どこかで区切りをつけなければ。。そういう思いが登場人物全員に表れていた。 終演後にアドバイザーとして参加されていた東京の岩松了さんと演出の田原佐知子さん、作者(役者)の森馨由さんによるアフタートークがあった。 森さんは岸田戯曲賞を受賞した作品「春の鯨」を書かれた方だ。長崎の川棚出身の岩松さんと知り合ってHIT!STAGEの応援をしてもらっているらしい。心強いだろうな。 舞台は家の中の茶の間で2階に続く階段の手すりを波型にするなど、海の中に沈んでいるイメージを表していたそうだ。 温かいはずの茶の間が寂しい感じがしたのはそのせいだろう。 家族に関しては100あれば100通りの家族のあり方があるはずだから、え?こんな感じなの?とか、そりゃないだろう。 とか思う場面もいろいろあったけれど、いいにつけ、悪いにつけ「家族の絆」ってやはりあるのだと思う。 自分に照らし合わせて熟考できる作品だった。 全体的にちょっと重々しく、明るさが足りなかったかもしれないけど、美咲のはっちゃけた感じが救いだったような感じだった。 なんといっても佐世保の近くに住んでいた私は佐世保弁が懐かしくて涙腺がちょっと緩んでしまった。 アフタートーク西鉄ホールの中村絵里子さんがわからないといってた方言、もちろん完璧にわかってましたw 質問で「春の鯨」でも佐世保と東京の対比があったがこだわりがあるのか?というものがあり、森さんは素直に憧れや羨みがあるのかも、と語ってらしたのが印象に残った。 地元で続けていくことも一つの決心だろうし、それはとても応援したいと思ったことだった。地方の劇団頑張れ!