「一つの戯曲から創作をとおして語ろう!」上演審査 ぽんプラザホール

teru10162009-05-22

19時〜 1000円  福岡演劇フェスティバルFFAC企画創作コンペティション
課題戯曲はアントン・チェーホフの「結婚申し込み」先日アントンクルーの同公演を観たばかりなのであらすじはよくわかっていた。 ただし、アントンの公演もチェーホフの舞台で笑えるといってたが内容で笑うのではなく、役者や演出の妙で笑えたのであってこの話自体は申し訳ないが、おもしろいとは程遠いところにある。 やはり年代や国の違いって大きいと思うな〜 19世紀のロシア人の心情に迫るものは非常に難しいところがあるだろう。 内容も現代とそぐわないし。 土地の話とか犬の話とか現代なら問題にもならないようなことでいい争ってどこにおもしろさを見つけるか。 実際の課題はそこだったのだろう。 F融合科学研究所の「プロポーズ」は舞台の上にボクシングのリングのようなものを設置。 衣装や帽子などに凝って、きれいな感じの舞台を作っていた。 ナターリャもイワンも原作に忠実でもう一歩ひねりが足りないような気はしたものの、ラストの決め方は見事だった。 柿喰う客の「邪道・プロポーズ」は作品そのものに興味はない、と言い切る主宰(演出)により、見事なまでに邪道にされていた。 お笑い芸人2人組。あんとん&ちぇーほふの持ちネタはプロポーズのみ。 稽古を繰り返す間に次々と現われる先輩やファンや子どもやプロデューサー・・・等にことごとくあげられたり、さげられたり、えんえんと同じネタの稽古を繰り返し、トーンダウンのラストへ。 これはすごい、思いもつかない仕上げ方で、柿ファンなら想像できていた展開だったのかもしれないがたぶん、九州人には思いもつかないものだったのではないだろうか。 うーん・・すごいわ。 爆走蝸牛の「結婚申し込み」は全編博多弁で。 ナターリャ役を劇団員の村上さんが熱演。 後ろ向きに座ったりとかライトの当て方を普通と違うようにするとか映像を使うとか、それはそれは考え抜かれたものだった。 後ろ向きでも台詞が通るように、たぶんテーブルの下にマイクを仕込んでいたのではないかな。 衣装やシンプルな小道具は逆に昔のロシアを彷彿とさせた。 しかも、イワン役の手島さんは実に顔がロシア風!! フロックコートも似合っていて、最高だった。 今回は目的をはっきり「演出家の育成と発掘」と謳っているので、審査もそこが一番のポイントだったと思われる。 審査員による最優秀作品賞と観客投票による観客賞、2日間あって審査結果はいずれも爆走蝸牛になったらしい。 偶然にも私の評価と一致したわけだが、賞とはどうしても意見が偏るものだ。 世界的なあの賞もこの賞もそうではないか。 この結果だけを議論するのではなく、こういうコンペをやる事が日常的になることが大事だと思う。こ れからも続けて欲しいが、課題作品はもう少し観やすいものにしてほしいと思う。 しまった・・・アンケートを出すのを忘れてた(^^;;写真は会場だったぽんプラザホール