「これが私の生きる道 」ふくふくホール

teru10162009-06-06

18時〜 3500円  芝居屋企画
玄海椿のひとり芝居「TO−JINお吉」と、その娘、平田愛咲のダンスミュージカル「アクトレス」 ゲストに歌のおじさんこと、井上寿夫。 普通の演劇とはちょっと色合いの違った魅力的な舞台を観劇した。 まず愛咲さんのミュージカル「アクトレス」これは椿さんも昔やった演目のようだ。 親がいないという女の子が女優めざして都会へ旅立つ駅でのひとこま。 ピアノを弾く歌のおじさんとのかけあいも楽しい。 四季から東宝までミュージカルナンバーを次々に披露してくれて、最高だった。 コーラス・ラインの「nothing」に始まって、美女と野獣の「二人で」を井上さんと。 同じく「わが家」を熱唱。 数曲題名がわからないものが続き(たぶん「王様と私」からではないかな〜) レ・ミゼラブルの「オン・マイ・オウン」、ミス・サイゴンの「命をあげよう」、マンマ・ミーアの「ダンシング・クイーン」そして、コーラス・ラインの「愛した日々に悔いはない」。 ラストには子と離れ離れになった親(椿さん)がマントを羽織って登場、「命をかけてあの子を産んだの」と。 じわっと涙。 自分を捨てた親を憎んでいた娘だったが彼女の話を聞いて考えなおす。 そして私の生きる道を歩いていく。 16で一人で上京し、東宝ミュージカルアカデミーで勉強をしていたというだけあって、数々のミュージカルナンバーを見事に歌い上げていた。 どこにでもいそうな普通のお嬢さんなんだけど、椿さんの後姿を見て育ったんだろうなと感動する。 今秋、日生劇場で上演される「屋根の上のヴァイオリン弾き」の三女役でプロデビューということ。 福岡出身のミュージカルスターは他にもたくさんいるし、実に誇らしい。 また応援する役者さんが増えたわ〜♪  第2部は椿さんのひとり芝居「TO−JINお吉」。 「唐人お吉」は史実らしいけど、その感動的な内容が好まれ各地で小説や戯曲になっているらしい。 私も詳しい内容は知らなかったけど、17才で下田奉行所の役人に脅されて、恋人鶴松との仲を引き裂かれ、ハリスの妾となり、大金は得たものの、「唐人」と忌み嫌われ、下田で鶴松と再開、結婚。 しかし、役人に鶴松は殺され、お吉は酒に溺れるように。 悲劇の最期を迎えた。 悲劇だ、悲劇だ・・ でもひとり芝居にはうってつけの内容だったかも。 粋な着物の着方で芸妓を表現したり、堕ちていくサマを演じたりと。 時間的にも約50分?あまり長くないのがよかった。 内容は悲劇だし、差別話の典型的なものだけど、愛を貫いたという意味ではお吉と鶴松のラブストーリーともとれる。 非常におもしろかった。 椿さんの愛咲ちゃんを観る目は実に慈愛に満ちている。 16で旅立たせる親の気持ちを考えると胸が痛くなる。 それでもこんなに早く実を結ぼうとしている娘にきっと椿さんはいろんな自戒の言葉もかけていることだろう。 同じ女優として。
この道は至難の道  されど/この道は至福の道/この道以外に我が道なし/この道を歩む 一歩また一歩/これが私の生きる道  (公演ちらしより抜粋)