「班女・弱法師」春日市ふれあい文化センターサンホール

teru10162009-06-07

18時半〜 2000円  演劇ねっと〜風来〜プロデュース
三島由紀夫作、真野風来演出。 このプロデューサーは知らなかったのだけど、いい名前だな〜風来って。 芸名だろうけど、子どもにつけたい名前。 男女どっちでもよくない? もう産まないけどさw この作品は三島由紀夫の「近代能楽集」から。 てっきり時代劇っぽいものを想像していたら近代の脚本だった。 戦争の話しなどがあったから、昭和なのかな? 
班女:画家の実子(本田恵子)は吉雄(村上差斗志)と扇を交換して愛を誓った花子(早田有希)に一目ぼれ。 吉雄を待ち続けるあまりに気の狂った花子を保護し、彼と会わせないように住まいを変えていくが、新聞に駅で一日中吉雄を待つ「狂女」としてとりあげられ、遂に吉雄に見つかり彼が訪ねてくるが・・・・音奏には大関順子。 これは中国の楽器だろうか? 弦楽器で不思議な音色を奏でる。 
弱法師:狂気をはらんだ盲目の俊徳(原大介)20をめぐって、育ての親、川島(岩井眞寛、宮崎靖子)と生みの親、高安(勘タン、尋木るみ子)は家庭裁判所に出向く。 そこでの異様なやり取りはかなりオドロキもの。 調停員の桜間(中嶋さと)は親たちをひきあげさせ、俊徳と話しをするが・・・・・ 
三島作品は読んだことがない。 切腹自殺をした三島事件もそのことばかりが印象に残っており、怖い人であるという印象しかなかった。 その作品を時々映画や舞台で見るようになり、純粋な感覚の持ち主だったのかなと。 今回の作品もとにかくきれい。 狂気や異次元の愛など現実離れしたところもあり、その台詞は激しいところもあるけれど、全体的に心情を語る部分が多く、理解はできずともなんだかひきこまれる。 役者さんはみんな素晴らしかったのだが、最高に凄かったのは俊徳を演じる原大介さん。 何回か舞台は観たことあったけど、こんなに存在感のある役は初めてかも。 本当に気が狂っているとしか思えない。 盲目を装うサングラスもまた凄みを演出させる。 ここのところ精力的に公演に出ている爆走蝸牛の面々も良かった〜  中嶋さんはいろんな顔を持つすごい女優さんだ。 ここはいいホールなのだが、残念ながらアクセスが悪い。 そのせいか私の見た回は数十名の観客でもったいないな〜と思った。 たまたま地元なので行けたが、他の辺鄙なところでも掘り出し物はあるはず。 そういった公演を見逃したくない。