「カノンMaj7」 西鉄ホール

teru10162009-09-12

19時半〜 1750円  ミクロドロップ
中央にグランドピアノ(金田さん作) 下手に喫茶店らしきカウンターとテーブルと椅子。 上方に光り取りの天窓のような枠。 かなり凝った舞台で驚いた。 雰囲気はキャラメルボックスかな。 音楽家速水真人の死後、ピアノは放置されていた、そこで彼の子どもであるみそらは父真人の幻影を見ていた。 みそらを育てた叔父の誠二はピアノが直れば彼女の風変わりな言動も治まるかと思い、若い調律師にピアノを見てもらうことに。 ピアノの中にカノンと真人を見つけた調律師の良一は幼馴染の千秋とピアノにまつわる話しを誠二から聞きだす 。彼の妹のカノンは真人と恋におち、みそらを産んだということだが、普通の家庭と違う狂気的な芸術家と彼を溺愛するカノンの二人はみそらの養育を放棄する。 みそらに何も知らせたくない誠二に対して、彼女は不審の念を募らせる。 彼女に本当のことを知らせてまたピアノを治して、カノンや真人の呪縛からみそらを解き放つことが大事だと千秋は誠二を説得する。 ピアノは無事に直り、みそらはカノンと出会う。 全ての役目を終えたピアノはもう2度と鳴ることはなかった。(と、これは私が理解した内容、違うかも・・・)  今までの太田さんの脚本は厳しい話しをふんわり包んだものが多かったのだが、今回はちょっと違う厳しさがあって良かったと思う。 いろんな感想があるけど、経過を見てきて私は今回は一段落上がった成果が出たと思った。 年齢層の広い役者たちで、ちょっと演技力に差があったのはマイナス面。 個人的にはやはり井田さんは飛びぬけて上手、華もある。 茉莉花さんは重苦しい空気を吹き飛ばす明るさと楽しさがある。 宮坂さんは可愛らしくてほっとする。 冨永さんはシャープで切れがある。 中村とし子さんは今回現実の人物ではなかったけど、幻想的な感じが良かった。 あと消毒薬はむろんのこと、観客にマスクを提供するってすごいっ(^^;  客席みてあまりにマスク姿が多かったのでギョっとしたのだけど、そういうわけだった。 インフルエンザかも?という客は来ないだろうから心配はしてないのだけど、そこまで気を使う太田さんが大好きです。 そして、劇場パンフの裏面にあった家族3人のポートレイトが最高に良かった。 これは実在しないものだからみそらの深層心理なんだろうな〜 観劇後にグッズの中の脚本を買った。 今回の分と「猫にセロリ」これはすごく観たかったので、うれしかった。 本当は脚本と私の想像力ではなかなか舞台を再現できないんだけど、「猫とセロリ」なんとなくよみがえってきたのは脚本力のおかげだと思った。 ミクロの頑張りにさらに期待します。