「ファンタジー 桧原さくら物語」 福岡市南市民センター文化ホール

teru10162009-10-25

13時半〜 800円  福岡市制120周年記念事業
鈴木新平さんの脚本・演出で、南区民を中心に出演者を募った作品。 ただし劇の核となる部分には地元劇団の役者さんを配置して、実に見応えのある桧原さくら物語を作りあげた。 今回の公演は10.28付けの西日本新聞にも載っている記事(短歌「桧原桜賞」を創設、全国から募集するそうだ。)にも書いてあったが、1984年に道路拡張のために伐採される運命になっていたさくらを地元の土居善胤(よしたね)さんが「花あわれ せめてはあと二旬 ついの開花を ゆるし給え」と歌ったものに当時の新藤市長が「桜花惜しむ 大和心のうるわしや とわに匂わん 花の心は」と返歌をして伐採を取りやめたという話が発端である。 この話しに共感した、学生や区民がファンタジーを企画したという。 市や区、はては県民も巻き込んで、感動の輪を広げた活動に敬意を表する。 もともとは知り合いの役者さんが出るということで気楽に予約したものだったけど、その企画の膨大さや影響の大きさには改めて驚いた次第。 冒頭に区長と前出の土居さんの挨拶。 土居さんの熱い思いは時間オーバーとなったけれど、苦笑しながらも温かく見守る観客がナイスであった(笑) 3009年の地球は廃墟となっていた、クローン人間の銀河調査隊は地球爆破のための調査に地球へ向かうが、そこにいた、「桧原さくら」の精たちに地球を残すよう懇願される。 2009年にフラッシュバックして桧原さくらの伐採推進派と反対住民とのやりとりが続く。 住民と行政のさまざまな思惑を経由して再び千年後。 はたして調査隊の報告は・・・・・いい構成だったし、基本の桧原さくらとうまく結びついていて感動的な話しに仕上がっていた。 もちろん劇団の役者さんは上手な人ばかりだったけど、他のメンバーもかなり練習をつんで十分演劇レベルとしても満足できるものだった。 中には肩書きが「主婦」なのに絶対元役者でしょう!という人もいたし・・・オドロキ  小学生から熟年世代まで、町内会長さんとかも出演されていて、まさに区民でつくりあげたお芝居という感じであった。 良かった、すごく良かった。 桧原さくらは去年、桧原桜公園が整備されてそこで見られるらしが、いつか行ってみたいものだ。 福岡市は大きすぎる都市だけど、南区は十分にまとまりがとれる区画ではないかと思う。 春日市でも市民運動は数々あっているけれど、こういう人と人の熱い繋がりが希薄になってきている昨今だからこそ、声を出す先導者、バックアップする行政が大事なんだろうと改めて考えさせられた。