「エビータ」 福岡シティ劇場

teru10162010-04-29

13時〜 7000円 劇団四季
いよいよシティ劇場最後の演目となった。 次回四季が福岡で公演するのはいつだろう、福岡地所が劇場として使うとは書いてあったので、活用してくれれば問題はない。 「多彩な舞台芸術が上演できる劇場への転換に向け、検討を進めて参ります」サイトより抜粋。 期待しよう。 開幕の日は招待客が多いので、とりあえずチケット完売。 ちゃんと見てくれる人を招待して欲しいと思っていたが心配はなかったようだ。 ほぼ埋まった客席を見て、安心する。 エビータは名古屋で1度観た。 井上智恵さんがタイトルロール。 以前野村さんがやっていたのは知っていたが、まだ芝居を観始めてなかったので。 芝さんと一緒の取材会では、たぶん40代後半だと思われるのに実に若々しくその美しさに驚いた。 声も涼やかで、CDは何度も聞いているのだがたぶん生でお目にかかるのは初めてかもしれない。 浅利さんと結婚したときも驚いたけど、しんの強そうなキリッとした態度は表面でみえる以上に力強い女性だと感じた。 エビータ最初のほうは少女時代から、そばでみなければほんとに少女と見まごうような愛らしさ。 あまり可愛いのでエバの毒々しさとか娼婦性とかには少しなじまない感じはした。 男から男へなんて女には見えない。 しかも政略的に。 エバは最終的にはエバ・ペロン大統領夫人としてその位置を確実なものにした。 そこまでのぼりつめるにはきわどい手も使ったようだが、さまざまな功績をあげ、大統領夫人として人民に愛され、大統領をフォローし、惜しまつつ33の若さで亡くなった。 彼女の功績をたたえて銅像もあるそうだ。 出る杭は打たれるというが、エバも陰口をたたかれ、非難されることも多かったようだが、基本的に貧しい人の味方であったということが一番の感動を誘う。 この若さでここまで大勢の敵がいても気丈にやってきたということも病気を招いた原因かもしれない。 太く短く生きたエバの生き様を、チェが糾弾したり皮肉ったり、また賞賛したり。 エリザベートのルキーニような狂言回しの役どころだった。 話しは歴史的なものをアレンジしてエバの焦点をあてたものなので地味ではあるが興味深いものでもある。 衣装が美しくてミュージカルの醍醐味を味わった。 野村さんは声が微妙に昔より細くなっていたような感じだったので少し心配だったけど、大きくくずれることがなく、無事に初日を終えた。 芝さんは歌も演技もすばらしかった。 チェ役が一番はまりの役者さんである。 金田ペロンは予想以上に歌がよくて男前だった。 ジーザスを見損なっていたので初見。 韓国名はキム・ジュンヒョン。 でも四季の中でもかなり日本人に近い。 高木ミストレスも力強くてよかった。 アンサンブルも含めキャスティングが全体で高レベル。 最後の餞であろうか・・・ あと一回前楽で観劇予定。 常設劇場としての最後を私はどうやって迎えようかな。