「爪先、向こう側」 西鉄ホール

teru10162010-05-03

19時〜 9950円(共通チケット) 非・売れ線系ビーナス
解散したあしゃしゃのメンバーが数名参加。 他にもいい客演があってなかなかおもしろい作品だった。 ここのところ大博多ホールを小さく使ってやっていて、見辛かったので。 今回は西鉄ホールの広さにマッチした作品だった。 中央に踏み切り、上手に自転車やバイクが数台。 下手は階段状。 前方に溝が切ってあり、その中でも芝居したりそこから出たりはけたり。 シンプルだけど想像をたくましくさせる舞台。 出だしがいきなりその溝から顔を出した塔子が車を運転している様子。 踏み切りから先には行けない。 疎ましく思っている父親に会いに行けない。 見切り屋の二人にあれこれ言われ、どうしたらいいのかわからない。 見切り屋は人間に「見切り」をつけさせる言うなら死神風。 一方でうつのミュージシャン堕罪(だざい)はおっかけの種美に押しかけられ、子どもまでできてしまう。 死のうとするのに死ねない堕罪。 太宰治をパロっているのだと思うが、死にたがっている芸術家、ってことか?  見切り屋の二人は踏み切りの名前がついているようで、粟江津7号、並木橋2号。 踏み切りが見切りの象徴なのだ、越すか越さないか。 元見切り屋の来水(くるみず)は塔子を愛してる(たぶん) 堕罪と種美の子どもが塔子?という錯覚をしたけど、ちょっと違ったみたい。 踏み切りとか屋上とかぎりぎりの部分の感覚はよくわかった、子どもが親を疎む感情もわかった、でもとても悲しいことだけど、その親にあなたたちもいつかなるのよね。 観客は若い人が多かったので共感はかなり得られたと思うが。 塔子役の古賀すみれさん、来水役の大竹さんは上手いなぁ〜  堕罪役の樗木さんは時々突拍子もなく飛んだり跳ねたり叫んだり死にたがったりするけどうつ病のイメージがそうなんだろうか、そんなばっかりではないんだけどね。 田坂さんの不思議ファッションはスーツにひらひらのスカート状のきれを腰にまいている。 私はこういうの好きですが。 でもまた大竹さんと劇中でわけわかんないアドリブをかますのはちょっとね・・・(^^;  あと私は最前列で見たので非常に舞台が良く見えたのだけど、割にグラウンドレベルでのお芝居が多かったようなので、後方は見えたのかな?とちょっと心配した。 今年は非・売れ以外でも精力的に作品作りや演出をしていこうとしている田坂氏の頑張りに期待します。