「ダモイ〜収容所(ラーゲリ)から来た遺書〜」ももちパレス

teru10162010-07-13

19時〜 4500円  トム・プロジェクト プロデュース
歴史的な重い芝居は観なきゃいけないな〜という義務感で観てしまうのでとっかかりは悪いのだけど、結局いつも観て良かったな〜と思う(だったら初めから観ればいいのにね) 今回は偶然シアタークラブのラインナップだったので、どうしようと思いつつも観れてよかった。 かなり感動。 下條アトムの美味さや演出の巧みさ。 そんなに派手なセットではないのにそこここと遠いシベリアを思わせる。 労働や監視環境の厳しいシベリアの収容所にあっても、ダモイ(帰還)を信じ、毎日を前向きに暮らす山本はかたくなな野上らの心をも溶かす。 しかしその山本に病魔が忍び込む。 大好きな俳句や詩をもかけなくなった彼は最後の力をふりしぼって日本の家族宛の遺書を書く。 山本に励まされた収容所の仲間は、紙に書いたものは没収されるということでみんなで分担して記憶の中へ刷り込む。 山本亡きあと全員で日本へ帰還。 ラストシーンの日本の夜の海の風景は涙なくしては見られなかった。 初演を平田満が演じたらしいが、彼も下條アトムも実に適役というか人柄がにじみでるような演技で心からすばらしいと思った。 新納敏正は初演から、大出勉は初見の役者だけど、力があるな〜と感じた。 プロフィールを見るとかなりいろんなメディアに出演しているようだ。 客席はシアタークラブ中心のせいか若い人が少なかったのが残念だったな〜 席も若干空いてたし、トムプロジェクトさん、こういう作品には中高生への招待とか考えてくださらないかな。