「夏の夜の夢」 ぽんプラザホール

teru10162010-08-27

19時半〜 1500円 福岡・九州地域演劇祭
シェイクスピアの有名な戯曲。 いろんなところで上演されているのは知っていたが、かっちり観るのは初めて。 演劇祭の上演作品なので「祝祭劇」を選んだのであろう。 彼の他の作品は今まで悲喜劇ともいくつかさまざまな演出で見てきたけど、古い時代とはいえ、現代に通じる普遍な人間としての営みや想いがあふれているので、どれもとてもおもしろい。 そして多くの観客を魅了する。 この作品は愛の形4組が主題であったと思う。 アテネの王とその新しい后(半ば強引である)妖精の王と女王。 若い2組の男女。 当時は普通であっただろう親が決めた結婚相手。 それを良しとせず駆け落ちしまで成就させようとする恋人たち。 それに絡む男女もまた悲しい恋をしていた。 アテネの森の妖精はいたずら好き。 妖精の王が命じた惚れ薬を使って妖精の女王や若き恋人たちを翻弄する。 気持ちの180℃の変わりように戸惑う若者。 そして味付けは道化役の森の職人たち。 最後はちゃんと薬の効き目を解除する薬を使い、それぞれにハッピーエド。 物語の流れとして起伏があり長時間ではあったが飽きさせない脚本であったし、演出だった。 これだけ出演者が多いと混乱しそうなものだが、きちんの場面の転換ができており、観る側としても次々に期待できる。 演劇的な手法に関してはあまり理解していないので言及しないが、多くの劇団員が集うこの作品がばらばらでなく一つになっていたことは企画の良さやスタッフの配置の尽力の賜物だろう。 役者は多くが地元で活躍している人ばかり。 若き恋人たちハーミア(多田香織)ライサンダー(林雄大)ヘレナ(原岡梨絵子)ディミートリアス(大澤鉄平)は大変魅力的で完璧な配役だった。 また物語を締める森の王シーシアス(秋葉王我)と后ヒポリタ(坪内陽子)は重厚だった。 派手すぎるかと思われる衣装もセリフを聞くとすっと馴染む。 妖精の王オーベロン(彰田新平)女王タイターニア(濱崎留衣)のぶっとんだ夫婦は最高におもしろい! けんかばかりで世界に不穏な空気を流してるというのに憎めない。 妖精パック(杉山英美)はピーターパンのように夢をふりまいて飛ぶ。 可愛いけどちょっとべらんめぇ口調は気になった。 他の妖精たちも個性豊かでステキだった。 一方森の職人たち(王の結婚式で芝居を上演しようとしている)はおもしろかったけど、ボトム(笹本順子)が突出していて、他がめだたなかったのが残念。 全員が飛び出せばそれはそれで問題だろうけど。 総合的に楽しく気持ちのいい公演だった。 演劇祭とは言うものの観劇者にとっては一期一会。 この作品が全てだ。 知ってる役者さんがたくさんいる私と全く初めて演劇を観る人とは受け取り方が違う。 彰田さんはテニスをされていてそのメンバーが来るということを聞いた。 このようまずは演劇をみてもらわないと始まらない。 役者さんはその括り以外の部分で、そして私たちも演劇以外の交友関係で観劇をススメていくことができれば、福岡の演劇シーンはもっと活発になるだろう。 その役目を担うことを究極の課題とする。
・・・ここまでを「福岡・九州地域演劇祭」の劇評として応募した。 なんら評価を受けたいわけではない。 劇評なるものを書いたことがない私の書くものはどこまで劇評とかけ離れているかの確認であるw それでも顔文字は使ってないしww(;´▽`A`` いつもは1回しか見直さないのに、5回は見直したw それでこれかい!と言わないでね♪ 多少緊張はしたけど私にとっては結構頑張ったのだ。 参加することに意義があると思おう。 タダで扇田さんに読んでもらえるだけでもお得ではないか。 最後の部分は完璧な蛇足だと思ったけど、私には大事な部分でもあったのです。