「葬送の教室」 ザ・スズナリ 

19時〜 ペア6000円 風琴工房  
25年前に起こった悲惨な航空機事故。 それももとにした遺族たち、航空会社、マスコミの話。 当時はあまりに生ナマしくてこれが舞台になるとは信じられなかった。 私はほかの作品は観ていないけど今までもこの事故を元にした舞台は多かったらしい。 詩森ろばさんの挨拶文を読んで、しみじみと事故が事故だけで終わってないことを実感した。 遺族連絡会の代表である川路は娘を事故で亡くした。 常に前向きでリーダーシップをとり事故調査委員会のチェックも怠らず積極的に遺族間や企業との連絡をとっているが、いささか情緒的に遺族の感情を逆なでするところもあり、数名の遺族と対立してしまう。 妻を亡くした岩沼、小さい息子を亡くした津村夫妻、客室乗務員であった姉を亡くした恵理、 それぞれの立場で、川路の進める「事故を二度と繰り返さない具体的な方法」を探していく。 それは航空機会社の後ろ向きな対応に対して不満をいだく川路たちの挑戦状でもあった。 ろばさんはたくさんの参考資料をあげていた。 私もたぶん読んだものがあるかと思うけど、事故原因を推察した飛行機を作った会社の報告を誤訳していたというのは真実なのだろうか。 これは初めて聞いたので驚いた。 ベルトが死因になったというのは聞いたことはあったのだが。 些細なことでも事故を防げるかもしれないと考えて考察していく川路のあきらめない姿勢は多くの人の心を打つ。 実際の現場で検死を行った女医も招き、講演してもらおうとするのだが、遺族の前で生々しい現場のことを話していいものかどうかためらう医者。 それを川路は説得する。 航空機会社の社員も2名やってきて若い社員は罪の意識を背負いすぎて痛々しい。 年配のほうは冷静に考えながら遺族会にも協力しつつも、会社に残ることを示唆し、講演を断る。 誰も責められない。 そういう状況をヒシヒシと感じて観客席からはすすり泣きの声が聞こえる。 こりっちでかなり期待の高い作品だったので楽しみにしていった。 その期待は裏切られなかった。 こりっちの「観てきた」で高評価の中にたまに☆3つとかがある。 それらを読んでいても愛が感じられるんですよ〜  風琴はこんなもんじゃない!ってね。 母集団の多い東京では「観たい」「観てきた」ともに充実してると思う。 福岡でももっと観る人が声を出さないかな〜 もちろん、そのためにはその「声」に異論を唱えないことが必須ですね。 九州、福岡はもっと進化しなければ。 観劇後にこちらの友人たちと飲む。 ほとんど会う機会がないのに旧知のようなそぶりでw  演劇よし、でも人が最高です(*^ー゚)v ♪