「図書館的人生Vol.3 食べ物連鎖 〜”食”についての短編集〜」 西鉄ホール 

teru10162010-11-23

14時〜 4000円  イキウメ
久しぶりのイキウメ、前川さんの作品は「狭き門より入れ」でも観たけどあれもすごく良かった。 でもイキウメでは役者とのあうんの呼吸?というものを感じる。 いいな〜脚本が実に興味深い。 題からしてそうなのだけど、ほんのわずかにひっかかるものをクローズアップしているというか”食”という誰もが興味を持ちそうな題材を4つのオムニバス(関連あり)にまとめた作品。 それぞれの副題を 『前菜/魚料理/肉料理/デザート』 としているのもおもしろい。 ♯1「人の為に装うことで、誰が不幸になるっていうんだ?」菜食に夢中な香奈枝(岩本幸子)は肉好きな夫文雄(浜田信也)をも洗脳しようとするがうまくいかない。 肉風の料理を食べさせたあとでネタばれしたところ、文雄は心がぽっきり折れてしまう。 良かれと思う心や、実際に良いことでも全てが正義とは限らない。。。 ♯2「いずれ誰もがコソ泥だ、後は野となれ山となれ」万引きのプロであるミノル(安井順平)は懸賞で生計をたてている楓(加茂杏子)に美学を感じつきまとうが相手にされない。 しかし、世の中には邪道な万引きが増えてしまった。 そういう万引き犯を捕まえるたびにスーパーには感謝され、思いもよらない仕事が。。。 ♯3「人生という、死に至る病に効果あり」ライターの甘利(浜田信也)は料理研究家橋本和夫(板垣雄亮)が行方不明になった長谷川卯太郎の血縁ではないかと思い、取材するのだが、なんと橋本は卯太郎本人であった。 食事療法を研究していた卯太郎は究極の完全食品を摂していたのだった。。。 ♯4「マヨネーズの別名は全体主義的調味料」橋本は助手の五味沢恵(伊勢佳世)とTVの料理番組に出ていた。 デザートとはあってもなくてもいい飾りの意味なのか、作ったのは根菜と厚揚げのトマト煮。 1,3,4と共通した登場人物がおり、全体の話ではあきらかに卯太郎が主人公だ。 3では卯太郎の若いときから現在までの経緯が詳しく述べられ、115歳で50代にしか見えない卯太郎の秘密が明らかになる。 つまり究極の食事が血液ということだ。 医師であった卯太郎は血液を容易に手にいれられる。 板垣さんの熱演は見事だった。 だんだん115歳に見えてきたのは嘘ではない(^^;  浜田さんをはじめ他の役者さんも変わらずうまいな〜と思わせた。 不老不死をテーマとする話はいくらでもありそうだけど、このようなアプローチは前川さん独自のもので、よりリアルな感じがした。 採血して飲むのだから吸血鬼ではないといいながら、にんにくを炒めながら咳をするとか細かい演技がおもしろい。 実際の調理台で料理をしちゃうというのも楽しい。 私は母親なので食は自分なりに気をつかってきたつもりだが、いろんな本を読むと何が正しいのかわからなくなる。 単食や無食のすすめとかも読んだし。。。 えー食事なしでなにが生きる楽しみか? とりあえずこのレシピは次の日に実践。 ベジではないので、豚肉をすこーし入れた。 美味かった。 好ききらいはある劇団かと思うが、私は好みだ。 ロビーで販売していた今年上演の「プランクトンの踊り場」のDVDを購入。 おもしろい! 次回公演は・・・北九州だった・・かなりショック・・(ノ_-;)