「新作能 桧原桜」 福岡市南市民センター文化ホール 

teru10162010-12-04

18時〜 1300円  南区役所・九州大学HME育成ユニット連携事業
以前、同場所で同じ内容の作品をミュージカル仕立てで見せてもらったけど、確かに能のほうがよりぴったりするかもしれない。 切られてしまう桜の木を哀れに思い、「花あわれ せめてはあと二旬 ついの開花を ゆるし給え」と色紙をかけたところ、当時の新藤市長が「桜花惜しむ 大和心のうるわしや とわに匂わん 花の心は」と返歌し、計画は撤回されたという話から有名になった桧原桜。 なんともロマンチックな話だけど、いい話だけに終わらず多くの人がこれをもっと広めようとミュージカルや能などの企画をしたということが素晴らしい。 言うは易し行うは難し。 今回の能は福岡では最高クラスの方々に手ほどきをしていただいていて、しかも子方を一般から募集したということが驚く。 お能を観るのは初めてではないが、今回は話もだいたいわかっていたし、なんといっても最初のこの能を作られた白坂保行さんの丁寧な解説が良かった。 とてもわかりやすく押し付けがましくなく能をゆったり見て楽しんで欲しいという気持ちが伝わってきた。 リラックスしてみることができた作品だったけど、パンフレットを読むと出演者や関係者の驚くほどの努力の数々がみられる。 子方の着る衣装を博多織で作ったということも能楽界初の試みらしい。 能装束は京都でしか作られていなかったというのも知らなかったのだが、敢えて博多織でと考えた関係者もすごい。 香蘭女子短期大学の学生が協力したらしい。 ここのファッション科は有名だものね。 ボタン付けもロクにできない私には驚きの連続(笑) 子方の稽古風景や様子も載っており、8月にオーディションをして14名を選び、稽古を繰り返し、12月に入って桧原桜に出演の4人が決まったらしい。 コーラスラインのようだ。。。 残りの10名も本編の前に発表公演を行い、立派な舞台を務めた。 感動・・・・ 本編は大隈言道と女のやりとり、及び花の精(子方4人)の舞い、そして狂言も入って粛々と演じられた。 本物の能舞台でなくてもすばらしい。 もう少し前で観たかったけど、超満員で立ち見も出たくらいだから座ってみれて良かった。 企画から公演までとても大変だっただろうと察するが、やはり手をかけたものは感動を生む。