「母アンナの子連れ従軍記」演劇書を読む会

teru10162010-12-15

19時〜 赤煉瓦会館
ブレヒトの作品、「肝っ玉おっ母とその子どもたち」のタイトルで訳されていたものを谷川道子さんが新しく翻訳しなおしたもの。 戯曲ではあるが、とても読みやすくてあっという間に読んでしまった。 小説のようだったのだけど、目に浮かぶのは舞台そのもの。 商売道具の馬車やテント風景。 度胸アンナと呼ばれたアンナは父親の違う3人の子を持つ。 長男次男は戦に参戦。 長女は不自由な姿態を持つものの確固たる信念を持った女性。 3人の子を愛しているアンナだけど、実に強くて冷静。 これからの生活をじっくり見据えて、敢えて子どもたちべったりではない。 結局3人とも死んでしまうのだけどアンナはくじけない。 まさに現代のシングルマザーそのもの。 私にはとても耐えれない状況かもしれない戦争中の状況をもアンナは楽しんでいる。 戦争がなければ生きていけないとも。 自身の恋ももちろん遠慮なし。 小説ではなく戯曲だからト書きとセリフで構成されている。 解説がとても充実していておもしろかった。 またほかの人の話を聞くと違った見方ができていい。 栗山民也演出用に翻訳されたものらしいけど、アンナを大竹しのぶが演ったと聞いて納得した。 大竹しのぶの歌はご愛嬌レベルだけどこの作品での彼女の歌はなんとも味のあるような感じで凄く観てみたいと思った。 
次回の課題本は「人間・この劇的なるもの」福田恆存著。 2011年年2月16日(水曜日)予定。