「嘘つき鉄心 IRON HEART」博多座

teru10162010-12-17

19時〜 3000円 博多衆
毎年12月の博多座は市民檜舞台の月、今年、劇団えのき岳遊劇隊を中心として福岡の劇団やフリーの役者さんたちが多く集まって一つの舞台をつくりあげた。 それはとても勇敢な決断だったと思う。 稽古を数回見せてもらったが気負いはなく、ただひたすらに本番の公演に向けての集中あるのみ。 もちろんできあがった作品は反省点も多くあったものかと思う。 私が感じるのは役者さんのレベルの差が大きいということだったのだけど、それですら本番の公演では気にならないくらいに完成度を増していた。 脚本は時代劇なので時代考証うんぬん、理解できない部分が多かったということもあるのだけど、そこまで違和感を感じるところはなかったような気がする。 まあロボットとか人工心臓とかはおもしろく仕上げる脚色ではあったのだと思うが。 「嘘つき」が仕事になるってのはほんとかどうか眉唾ものではあるが人って嘘はつくものじゃない? その土台にあるものがずるいのか思いやりなのかで同じ嘘でも全く違うものになるんだね。 さて本論・・・嘘つき鉄心は戦国時代にあって「嘘」を商売にしてきたが不況を受けて、本意ではない城下の姫の警護につくこととなる。 またこの姫の兄二人の跡目争いにも関わってしまいおもしろがっているのか・・・ 個々の役者さんや場面的には非常におもしろいところがあった。 鉄心と鈴のやりとりはお約束のボケツッコミが楽しい。 虎次、鈴のそれも同様。 鉄心と綾女のかみ合わないやり取りもおもしろおかしく。 ほかの登場人物もとても魅力的で特に桔梗、恵光院、小春は男前でマジで惚れてしまった。 稽古では観てなかった場面(最初とか)もなかなか良かった。 舞台セットも豪華で映えていた。 暗転部分では幕前で無言の寸劇をやっていて本格的な演出に唸った。 全体的に若い役者さんが多かったのだけど、律くらいの年代ももう少しいたら重厚さが深まったのではないかと思った。 かなりお金をかけたと思われるパンフレットは永久保存版だ。 綾女のキーワードが「偽」ってのは。。そうかな〜・・・逆に「純」であるかのような・・・ 他のメインキャストの一文字キーワードは納得だった。 各方面の評価を受けとめて、それぞれがますます発展していきますように。。