「sisters」 福岡女学院大学ハウイ館学生ホール 

teru10162011-02-25

18時〜 無料 福岡女学院大学 有志団体『amaryllis』
企画名が有志団体ということで、演劇部とは別のユニットのようだ。 いろんな団体があって切磋琢磨するのもいいと思う。 外部からはわかりにくいけどね。 さてsistersは北九州で松たかこ主演の舞台を観ているので、結構刷り込みがある。 鈴木杏吉田鋼太郎田中哲司らの演技を思い出す。 作:長塚圭史
舞台は某ホテル。 経営者でシェフの三田村優治(岩瀬巧)が料理を習うために東京のビストロでシェフをしている従兄弟の尾崎信助(吉川智史)を呼ぶ。 信助は新婚で妻の馨(成清暁子)を一緒に連れてくる。 馨は新婚にもかかわらず精神不安定状態で心ここにあらずといった感じ。 ホテルには優治の死んだ妻の兄である小説家の神城礼二(西田翔一)と娘・美鳥(安藤美由紀)がずっと住んでいた。 ひとなつこい美鳥は馨に近づいていく。 そしてあきらかになっていく過去の真実と現在の問題。。。。
内容はわかってはいたものの、やっぱり衝撃的。 特に近親相姦があらわになってくる場面はなんともいいようのない胸苦しさ。 馨の異常性癖も父親との確執が産んだものだった。 優治の妻が自殺したのは美鳥にも起因しているってのは、まさに死神っぽいおどろおどろしさ。 それにしても馨役の成清さんはすごい。 声のトーンから立ち姿まで松たかこのそれと似通っていた。 きっと何度も観られたのだろうと思う。 十分に自分のものとして発信していた。 音、照明等はいい感じで好ましかった。 舞台装置はちょっと雑な感じはしたが(ドア、ベッド等) 同じ構成の部屋を同時進行する演出はオリジナルと同じだったけど上手にできていたと思う。 ラストに向かっての馨の激白は非常に見ごたえがあった。 無料であるのがもったいないくらいだった。 観客は8割の入りといったところだろうか。 福岡女学院で観た芝居はだいたいはずれがない。 学生は一人が4年の繰り返しだけど、いい伝統が受け継がれているとの実感があった。