「マイ・バック・ページ」 映画 ネタバレ

teru10162011-06-01

1000円  
映画の日、知り合いから進められて公式サイトに行ってみると、なんともノルタルジーを感じさせるような1970年あたりの学生運動を扱ったもの。 主役は松山ケンイチ妻夫木聡。 おもしろそう!ということで、期待をもって観た。 過激派などの運動家がいたのは漠然と知っていた小学生のころ。 親は眉をひそめるばかりだったが、子供心にかっこいいな、と思ってたのを思い出した。 東大安田講堂に立てこもった学生運動家たち。 ”アンポハンタイ”と意味もわからないことばを叫んでデモをして警察と衝突する学生達。 しかしさすがに連合赤軍の人質立てこもり事件(浅間山荘)のときに至ってはやりすぎだろうと子供ながらに思った(このとき中1) 時間は流れて自分が大学生になったころにはさすがに学生運動は沈静化していた。 若干なごりっぽいものはあったがなんとも熱がないというか見る影もなかったような気がする。 さて、内容・・若き東大卒のジャーナリスト沢田(妻夫木聡)は母校の様子を静観派としてみていた。 週刊東都の記者としてスクープ記事をとりたい気持ちと運動を支援したい気持ちとに揺れ動く沢田はある組織での運動の噂がある、梅山(松山ケンイチ)の取材を敢行。 思いのほか雄弁な梅山を観て不安な気持ちはあるものの応援したい気持ちにかられる沢田に上司の中平は「あいつに近づくな」と言う。 武器奪取のために自衛隊にしのびこんだ梅山の同士は自衛官を殺してしまう。 その指示をしたのが梅山ということをつかんで、沢田は迷う。 目指したものはなんなのか、何がやりたかったのか、何のためにやったのか。 現場におかれた”赤放軍”のヘルメットなどが意味を持たずにむなしい。。。。  服装や髪形、メニューの値段等当時を思いおこさせるパーツがたくさんあって、その部分だけでもかなり感動した。 しかし、当時の憧れでもあった運動家たちの一切の発言が詭弁であるような梅山の行動、幼稚で世間知らずな単純男を見て、なんともやるせない気持ちになった。 まだ自分を悔やみながら前へ進もうとする沢田のほうが共感を持てた。 東大全共闘議長と京大全共闘議長を長塚圭史山内圭哉が演じたけど、こういうカリスマリーダーが当時はたくさんいたのだろう。 梅山の彼女であり運動家の重子(石橋安奈)や東都ジャーナルの表紙モデルの眞子(忽那汐里)は彩を添えてくれたが所詮当時の女は軽んじられていたのがわかる。 生活のあらゆる部分で吸われていたタバコ。 タバコは嫌いなのだけど、当時を語るには欠かせないアイテムのようだ。 主役2人は当然良かったのだけど、沢田の上司、東都の中平(古舘寛治)は非常に味があって良かった。 冷静な観察眼、思い切りのよさ、あきらめのよさ。 意味ありげに足をひきずっていたのも過去を感じさせて良かった。 若者が悩んで熱っぽく語り合うのは悪くない。 今の学生に少し足りない部分かもしれないし。 でも犯罪となるとまた別の話だ。 何度もため息をついてしまったのは今の学生がこれをどう見るか気になったから。 まあ、観ないかな。。。