「革命日記」 ぽんプラザホール 

teru10162011-06-10

19時半〜 3000円  青年団
平田オリザさんの劇団。 初めて舞台を観たのは北九での「カガクするココロ」「北限の猿」だった。 今までに観たことのない作風でとても興味を持っていたのだが、なんと今回ぽんで観劇できるとあって、地元の演劇人たちも狂気乱舞(言い過ぎか)  舞台はとある個人の部屋らしき場所で開演前より3人の役者が寝転がっている。 その様子から見て、気のおけない仲間の飲み会のエンディング風景のような。 一人はOL風の服装でソファに寝転んでいる。 あとの男女はラフな格好で床に寝そべる。 客電が落ち、おもむろにしゃべり始める。 題名からいって、ここが革命家のアジトだということは想像できるけど、なんと空港襲撃とか大使館襲撃とか(違うかも)。。うわ。。。本格的。 衣装や部屋の様子からみて現代に近いと思ったけど、今でもこういう活動家っているのだろうか。 ここは革命家どうしで結婚した二人の家のようだ、彼らは後方支援のみでアジト提供ってことだな。 わらわらとメンバーが集まってきて、そのときのチャイムはピンポンピンポンピンポンとけたたましい。 そういう合図なのだろう。 実際に図面を広げて作戦の打ち合わせをしている。 その中に突然、隣の奥さんがやってきて、まちづくりの長になってほしいと頼んでくる。 来客中の隣宅に上がりこむなんて厚かましいと思うけど、役を探す立場としてあせる気持ちは非常にわかる。 なんとかやりすごして、再び打ち合わせ。 メンバーの一人の女がリーダーらしき男と激しく口論しだす。 理屈としてはわかるけど、どっちもどっちな発言の応酬。 所詮過激な行動に出ようっていう者たちが冷静に話し合いができるのかが疑問。 四角い卓を囲んで、食べたり飲んだり図面を広げるシーンはすべて四方向に役者が座る、当然後ろ向きに座ってセリフを言う。 聞き取れないことはない。 大胆な演出だなと思う。 熱烈な支援者という男が学校の教師2人の女性を連れてきて上り込む。 メンバーはとまどうものの、邪見にはできない。 一般人との会話が自然でおかしい。 この支援者はちょっと演技が大仰だな〜 最初に舞台にいた女優さんがとてもきりっとしていてステキな感じだったので、いったんはけてからもう登場しなかったのが残念。 ラストで襲われたという設定で緊迫感が増す。 最後にまた戻ってきた小学校教師の女性が実は亡くなった活動家の妹だということで驚くメンバー。 自称革命家たち、革命から抜けた者たち、あまり詳細を知らない支援者、全く蚊帳の外の一般人。 多くが入り乱れての展開がおもしろい作品になっていた。 私は立花(リーダーと口論する女)に非常に共感した。 なぜかはわからないけど同じ理屈でも立花のそれは理解できた。 何かに熱中するということはその他のことから興味が薄れるということだと思う。 私の中では昔から何にしても両立って難しい。 部活と勉強、恋と勉強、仕事と趣味、育児と仕事。 たいていどっちかに比重が激しくかかってしまうから偏った感じになる。 上手く調整できない。 それとは関係ないかもしれないけど、母として一番大事で一番欲していると思われる育児を放棄して活動にのめりこむノリコの気持ちだけは理解できなかった。 終演後にオリザさんのトーク。 一人でちゃちゃっとしゃべって質問も受ける。 すごい。 ここでは書けないようなことも若干話されたし、質問も多くて非常に生の良さを実感した。 作品の生い立ちや再演への考え。 質問はいつもしたいとは思いつつ、どうしても演劇関係者のそれに比べて陳腐な質問しか思いつかないので断念。 なんであそこで終わったのか聞きたかったとですw やはり観たあとに考えさせられる作品だった。 良くも悪くも。