「六月博多座大歌舞伎」 博多座

teru10162011-06-08

11時〜 18000円 
座会員となって初めての先行席。 I列はそこまで前方ではないがセンターブロックのいい席だった。 博多座って平日の昼のほうがとりにくいのかもしれない。 これからおいおい調べていい席がとれる日程にしていきたいものだ。 昼公演は尾上松緑丈、松本幸四郎丈、尾上菊五郎丈、がメインとなった三作品。 「矢の根」「加賀鳶」「身替座禅」の三つ。 「矢の根」歌舞伎十八番のひとつ、いわゆる古典というものかな。 あのメイクというかクマドリ?というのだったか顔がものすごい。 それに髪をかちかちに固めてまるでタランチュラの足のようになってる。 説明が難しいなぁ。(写真参照) 幕が上がったとたんに歌舞伎の世界に入り込む、ぞくぞく。 イヤホンガイドの解説がなければさっぱりわからない内容もこれでちゃんと理解できる。 すごく画期的な補助道具だ。 曽我五郎は父の敵を討つために矢の根を研ぐ。 荒事と呼ばれる潔い演技を数々示して、敵打ちに向かい花道を駆け去る。 30分ものだし、セリフは難しかったけど舞台美術は素晴らしかった。 「加賀鳶」河竹木阿弥作。 重厚な話、加賀の鳶たちそろっての花道での口上は良かった。 ちょうどいい席にいたのも幸運。 序幕町木戸の場では幸四郎丈は火消衆との喧嘩に熱を帯びる加賀鳶の連中に争いをやめるように諭す役の梅吉(いい人)しかし、続く二、三、大詰では相当な悪者である竹垣道玄を演じる。 この道玄、ほんとひどいやつなのね。 人を殺してお金奪って、妻を虐待して愛人といちいちゃして、姪の勤め先を強請ってお金を取ろうとする。 最低!!! もう誰が見ても最低な男なんだけど、なんか憎めない子供っぽい感じもする。 姪のお朝の勤め先で見栄を切るものの、鳶頭の松蔵の出番で彼の悪事はあえなく頓挫。 愛人のお兼は見捨てたままで逃げまくる道玄。 大詰二場では捕らわれるまでの立ち回りが見もの。 幸四郎丈は現代劇のほうで先に拝見していたので、歌舞伎の舞台がこんなに魅力的だとは。 見応え十分な作品だった。 「身替座禅」愉快な狂言。 浮気症な山蔭右京は恐妻家なのに、浮気相手の花子に会いたくてしょうがない。 自由にさせてもらえないので、持仏堂で座禅をしたいと申し出る右京。 しぶしぶ認める奥方玉ノ井。 身替りに座禅をするように家来の太郎冠者に頼んで、いそいそと花子の元へ。 いやいや引き受けた太郎冠者は衾をかぶってこもるが、そこへ玉ノ井が表れてバレちゃうというわけ。 逆に玉ノ井が衾をかぶって右京の帰りを待つのだけど、何も知らない右京が花子とのことを話すのがおかしくて恐ろしくて。 しかし、奇怪なご面相の玉ノ井だが、そんなに夫が好きだなんて可愛い♪  でもマジで怖いけどネ(^_^;) 単純なストーリーだけど、騙し騙されの展開がおもしろくて、とても楽しかった。 歌舞伎は難しいとの先入観があったけど、確かにセリフ自体はガイドがないとわからないけど、たぶん海外で見るミュージカルと同様にことばはわからなくても体で感じるおもしろさがあるのかも