「デンデラ」 映画 

1000円
話題作、往年の名女優たちが総動員の作品。 年代的にも興味はあるし、観ておいたほうがよいかなーくらいで。 ある貧しい村では70になったら口減らしのために雪山に捨てられる。 息子におぶわれて捨てられた斉藤カユ(浅丘ルリ子)は極楽浄土を夢見なが体を横たえる。 わらの寝床から起き上がったカユは多くの老婆たちが働いている様子を見て「ここが極楽?」と思うが、以前に見知っていた老婆たちからここが捨てられた老婆たちでつくった村、デンデラだということ知って驚く。 「ばちあたりな・・」と思うカユだが、長老の三ツ屋メイ(草笛光子)にさとされ考え込む。 100歳のメイはデンデラの住人が50人になったのをきっかけに村への報復を考えていた。 復讐心だけが生きる支えだった。 温厚派の椎名マサリ(倍賞美津子)とはことごとく意見があわなかったが、ほとんどがメイに続いた。 決行の前に熊がデンデラを襲った。 数人が殺されて愕然とするメイはカユの友達だったクラ(赤座美代子)を囮にして熊をおびき出して戦おうとする。 メイをなじるカユに対して、体が不自由なクラは「自分の体が役にたつのがうれしい」と言う。 はたして熊を倒せたのか、村への復讐は成功したのか。。。。 終わってからもしばらく息があがるような、そういう映画だった。 上映代が一律1000円というのもあったのか、映画館は男性客も含めてかなりの数の観客がいた。 ほとんどが年輩だったと思う。 さすがに歳をとったというものの、日本を代表する女優さんはノーメイクに近くてもきれいだった。 特に浅丘ルリ子さんは舞台やTVでかなり厚化粧をしているが、このほうが凛としてきれいだったなぁ。 数年前に舞台上で見たときはきれいだけどあまりお上手な感じがしなかった(あれは演技だったのね) カユ役はとても自然な感じで揺れ動く昔の女を演じていた。 熊や雪崩や数々の困難に阻まれた復讐劇は完遂しなかったが、これで良かったのではと安堵を覚えた。 村社会の地位の低い女たちが普通に暮らしていれば起らない数々の出来事。 「自分で考えたことがねぇからわかんね」「生きるって大変だな」「歳をとることは罪か、歳よりは屑か」 徐々に自分自身の考えを強く持つようになるカユの心情がとても伝わってきた。 自分もあっというまに歳はとる。 そのときに自尊心をしっかり持てるように今を生きていかなければならないなと感じた。 若い人はそして男性はどう観る作品だろうか。