「あなたが地球にいた頃」 ぽんプラザホール

teru10162011-10-22

19時〜 1200円 劇団無名
キャラメルボックス成井豊氏の作品、題名からしててっきりSFっぽい話かと思ってたらそうではなかった。 もっと人間っぽいどろどろとした、でも優しい作品だった。 たくさんの登場人物がいて、それぞれに個性が強い。 それがちょっと表現し難い部分もあって、作品としての難しさも感じた。 結核でずっと病院にいた可南子(須藤渚)は20年ぶりに退院、姉瑞恵(宮坂幸子)のいる東京へやってくる、その姉の子さくら(冨永枝里)がメインのナレーター。 さくらの家族に対する思いや、可南子に対する思いを実にうまく表現していく。 瑞恵は心配性で可南子の好奇心に釘をさす。 瑞恵の夫祐介(諸星直也)は可南子が絵をかくきっかけにもなった男性で、さくらとともに優しく可南子を見守る。 ブライダルプランナーの瑞恵は可南子の初恋の相手黒田(松尾信二)の結婚のプランを立てるもその花嫁である美佐子の心の揺れで結婚が中止となる。 変な男は3人もいて、黒田の上司の東郷課長(野田敏昭)、瑞恵の会社の社長の速水(山崎慎也)、そして、瑞恵のうちの大家さんの岸田(中山大介)  演技もかなり天然で可笑しいのだが、役と合っている感じもする。 全体的にちょっとまとまらない感じだったのだけど、可南子と瑞恵役、祐介、さくらの描写が家族の優しさや葛藤をよく表していて、好ましかった。 特に物語のナレーターもつとめるさくらは6歳だが、成長してからの目線で家族をとらえていたのがおもしろかった。 がっちりした仕事を持っての演劇活動は大変だろうけど、こういう既成戯曲に取り組んでみるのもいい試みだと思う。他の出演者、黒田の恋人で画家の美佐子(大石華子)デザイナー服を作る人河合(田中裕章)新人ブライダルプランナー横山(花田香緒里)バイトくん富岡(田中基康)