「生きてるものはいないのか」 映画 

teru10162012-02-29

1000円  
自分のまわりで評判が高かったので、「おもしろい」というのを「笑える」と勘違いして観にいった。 笑えない、笑えない。 若い役者さんが多かったので、ジェネレーションギャップのような部分にくすっと笑ったことは数回。 しかし、全体的には何かわからない恐ろしいものが存在していて、それはあたかも放射能のような目に見えないものであることから余計に不安をかきたてる材料となる。 何これ?何?という理由のわからない、漠然とした不快感に終始包まれていた。
ある大学(病院を併設しているから医学部があるのだろう)のキャンパスを舞台に全く関係のない者たちがごく普通の日常を送っていたのに突然苦しみだして死んでいく。 都市伝説研究会なる者のメンバーによると、大学病院の地下3階で極秘の化学実験が行われているとか。 漏れると人類破滅の細菌だとか?  それを調べようとしている矢先にぽんぽんっと死んでいく。 この死が実に軽くてすごく意外。 女子の死に面して、最初に逃げ出した男の子たちの反応が自然な気がする。 あとはもうみんな死ぬのが当然な感じで、そうなんだろうか?  最後に誰かに会いたいとか食べたいとか思わないんだろうか?  あきらめのほうが先にたつのだろうか。 そんなことをいろいろ考えながら、「あ、また死んだ、また死んだ」と経過を追っていった。 どの人の死が特別なのかとは思わなかったけど、死期が迫っている子の死もそれ以外の死も変わらないのがぞっとした。 最後に何を言うかなど、なんだかどうでもいいようなことにこだわりだしてきて、結局言いたいことを言えなかっただのわからなかっただの。 映画上では最後に残ったウェイターも結局は死ぬのだろうけど、誰にもみとられないということでみんなとは違う。 ってことがどれだけ大きな違いなのか。 それすらわからないままに自分が死ぬときは「あんなに痛がったり、苦しがったりしたくない」ということだけだ。 すーっと死ぬ人がいなかっただけにできるだけ楽に死にたいと思うのは世の中全ての人が思っていることではないんだろうか。 だからこそ、目に見えない脅威で何十年も理由のわからない原因で苦しんで死んでいかなければならない人が増えた今、一番思うのはもっと心安らかに死ねるようにできることはやっていきたいということ。 漠然としてるけど、他に私にできることがない。 それも私が死ぬまでのことだけどね。