「葵上・熊野」 ぽんプラザホール

teru10162012-03-16

19時〜 2000円  演劇ネット〜風来〜プロデュース
原作:三島由紀夫 演出:真野風来
真野さんのMISHIMA公演VOL.2 三島由紀夫の「近代能楽集」を読んでこの2作品は好きなものだった。 特に熊野は男性と女性の駆け引きが面白く、舞台になるのを楽しみにしていた。

「葵上」
源氏物語光源氏と葵の上、六条御息所のどろどろの三角関係を現代版にしたような感じ。 光(春川研)は入院中の妻、葵(添田真央)の見舞いにきたが、毎晩来ていたという見舞い客、六条康子(さざわりか)に会う。 以前つきあっていたような会話が続く中で。。。
光は草食系男子っぽくさわやかでかっこいい。 あまりに康子のインパクトが強かったので、印象が薄くなってしまったけど。 さざわさんの演技は良かったな〜〜  もっと激しくても良かったかもしれない。 お着物が印象的だった。 それにしても得体のしれないこの看護師たちはなんなのだろう? 原作を読んだときはあまり気がつかなかったかもしれない。 ほとんど原作に忠実な演出だったように思った。 ずっと寝ているかうめき声をあげるだけだった葵は辛かったのでは? と思うのは観客のあさはかさだろうか?

「熊野(ユヤ)」
金持ちの宗盛(佐藤順一)は囲っている熊野(小湊倫子)が病気の母親の元に帰りたいと言っているのに花見に行こうと誘っている。 そこへ熊野の友達、朝子(山中麻美)が母親からの手紙を持ってきた。。。。
佐藤さんの宗盛はイメージ通り!! もうちょっと太っていてもいいかも。 穏やかに話をするお金持ちの雰囲気がとてもよく出ていた。 熊野を可愛がっているのもすごく伝わる。 しかもネタばれして、熊野のしたたかさを見た上でも変わらない態度が大人だよな〜と。 熊野には同調はできないのだけど、見た目はしとやかでも中身は計算高い女として、その役が面白かった。

葵の上では二胡を、熊野では三味線を、生演奏として起用していた。同じ弦楽器でも味わいの違うもので、作品とよく合っていたと思った。三島作品をまたやるのなら観たい。卒塔婆小町とかどうだろう?