「踊り場にて、」 甘棠館Show劇場 

teru10162012-03-31

19時〜 600円 演劇創作館椿楼
2010年九州戯曲賞最終選考作品、「踊り場にて、」のリアレンジ版。  脚本・演出 高橋克昌。 椿楼は2回目だけど、高橋さんの作品は初見。 今回の作品は結構ぐいぐいくるものがあった。 前回のを観ていないので、どこが変わったのはよくわからなかったが。 シンプルな舞台上は、おそらく死出の旅の途中となる部分で、行くか、止まるか、引き返すか、靴を脱ぐか、を迷う面々。 そこから先に絨毯が敷いてあるのも何か区切りとなる部分なのかもしれない。 下手絨毯の敷き始めには靴やバッグ等がたくさん置かれている。 なんとも最後の決断をする部分、という感じ。 登場人物に名前はない、みな自分の名も忘れている。 早い段階でここが死後の世界ではないかということは見当がついていたが、それぞれの事情があって、ともかくここまでは何もわからずに来る人が多いようだ。 ここに留まっている本を持った男(高橋克昌)は後続の人たちに話しかけたり、議論したり。 死後でもこんなに人間くさいコミュニケーションができるものならそれもいいかな、と思う。 ぬいぐるみを抱いた女の子(高田憂希)は高校生。 眼鏡の大学生(磯村誠)よりしっかりしているのは病気を持っている人間の強さだろうか。 少し年上の女性(吉村真希子)は真っ赤なセーターで主張する。 厳しいことも言うけど本質をついていると思う。 ちょっとカムところもあったけど、おおむね好きなセリフまわしだ。 声がいい。 高橋さんの演技はシンプルでユーモアもあり良かった。 ちょっと恐い顔つきなんだけど、「おじさん言うな!」とか結婚指輪を指摘されてはにかむところなど、いい感じだと思った。 椿楼、ちょっと続けて見ていきたい劇団だ。 それにしてもこの料金設定の安さはどうだろうか? 観るものにとってはありがたいけれど、周りに合わせなくてもいいのかな〜と余計な詮索をしてしまった。