「ピーター・ブルックの魔笛」 北九州芸術劇場中劇場

teru10162012-04-01

15時〜 6000円 主催:北九州芸術文化振興財団
演劇書を読む会でピーター・ブルックの「何もない空間」を読んだ。 よく覚えていないが、観劇者とか批評家にも厳しい意見を持っている感じだった。 そんなに観る人のハードルを上げないで欲しいんだけどなーと(エラそうに)思った記憶がある。 だけど今回の舞台はすごく楽しみにしていた。 ちらしの豪華さと対照的な舞台のシンプルさ。 しかし、これほどにオペラだとは思っていなかった。 ほとんどが歌で構成されている。 俳優は脇役の2人だけ。 でもきっちりストーリー展開があって外国人特有のオーバーなアクション、かと思うと繊細な日本人好みな表情やしぐさ。 非常にわかりやすかったし、演技や歌が予想以上におもしろかった。 途中眠くなる場面はあったけど概ね楽しめた。 こういう観方をピーターブルックは許してくれるだろうか?^^;
王子タミーノは夜の女王の娘パミーナを悪の手から救うためにパパゲーノと共に救出の旅に出る。 ザラストロははたして味方なのか敵なのか。 パパゲーノとパパゲーナのほんわか恋の行方は。。。。?
歌は特に夜の女王とザラストロが圧巻だった。 重厚とはこういうことを指すのだろう。 夜の女王はレイラ・ベンハムザ。 魔笛の有名なナンバー「夜の女王のアリア」を見事に歌いきって実にほれぼれ。 舞台はシンプルそのもの。 竹のような細いポールがたくさん舞台上にある。 これらを移動したり組み合わせたり、持ったりしていろんなものを表現する。 役者の衣装も実にシンプル。 途中でまさかの客いじりにちょっと驚き。 上手にピアノ奏者、ちょっと日本人風と思ったけどドイツ人? ピアノとオペラってなんて合うのだろう。 透き通る音に酔いしれた。 ピーターブルックは87歳。 私の親世代で信じられない、機能がすべて衰えてきてもおかしくない歳でこの演出、まさに演劇界の巨人。 今彼の作品を観れて幸せだった。