「ラ・マンチャの男」 博多座

teru10162012-05-09

13時〜 15000円 東宝ミュージカル
主演、演出:松本幸四郎
昔から名前だけはよく聞いていた「ラ・マンチャの男」 なんと初演から43年もたっているらしい。 しかも主役はずっと同じ人物、松本幸四郎。 市川染五郎の名のときからだ。 10年前に一度博多座にきていたらしい。 そのときが還暦。 現アルドンサ役の松たか子や、アントニア役の松本紀保が小さいときから父親の舞台を観ながら育ったという話を読んで驚くばかりだ。 とても古希に見えない幸四郎さんは声も若々しく、いつまでドン・キホーテを演れるのか多くの人が期待するところだろう。 歌舞伎役者でミュージカル俳優、他にいるだろうか?  
ストーリーは「ドン・キホーテ」の作者、セルバンテスが主役となる。 宗教裁判にかけられそうなり閉じ込められた牢獄で囚人たちの慰みとなる前に自身の作品「ドン・キホーテ」を即興劇でやってしまおうと試みる。 自らがアロンソ・キハーナ(ドン・キホーテの実在)役をやり、おもしろおかしく狂気とも思える演技をする。 メインはあばずれ女のアルドンサを思い姫ドルシネアだと思いこみ情熱的に語り続ける場面、一片のぶれもない。 最初は嫌がっていたアルドンサも徐々に心を開くようになる。 死期が近まったキハーナは狂気を失ったが、アルドンサの叫びで「我こそドン・キホーテ」を語り亡くなる。 即興劇は終わり、セルバンテスは裁判所へ向かう。。。
複雑な構成だったけど、「ドン・キホーテ」の話は子供のときに読んだ記憶が少しあってなんとかついていけた。 この話は笑えるものだが、「ラ・マンチャの男」は暗くてつらい話だし、華やかなミュージカルとは言い難い。 だけど、幸四郎さんをはじめとした役者陣がみんなすばらしくて、見入ってしまった。 ぼろぼろの衣装が「ジーザス・クライスト=スーパースター」の舞台を思い出させたが、同じように荘厳な感じがした。 松たか子さんは普通のお芝居では観たことがあったが、ミュージカルでは初めて。 歌も非常にうまいしアルドンサのイメージがが印象的ですばらしい! 駒田さんも歌が上手いし、ひょうきんなところがサンチョにぴったり。 紀保さんはたか子さんと違う魅力があってとても良かった。 彼女の名前はキホーテからとったものらしい。 そしてなんといっても43年間たった一人で主役を演じている幸四郎さんに尊敬の拍手を送ります。