「現在地」 イムズホール 

teru10162012-05-07

19時半〜 共通チケット(15000円) チェルフィッチュ
作・演出 岡田利規  
「三月の5日間」でセンセーショナルな舞台を魅せてくれたチェルフィッチュ。 岡田さんの新たな試みとして登場人物に名前をつけたフィクション作成とのこと。 きっかけは去年の大震災。 もちろん震災や原発をテーマに作品を作る演劇人は多くいるのだが、彼がやったのは是非を問う物ではなく、ばらばらになった現状をフィクションとして提示し、そしてみんなで考えるというもの。 震災や原発被害の当事者から遠い私たちの反応は人それぞれ。 青くぼーっと輝く空を見たという話から7人の登場人物(全員女性)の中にもいろんな考えや向き合い方があり、事実に対しての反応が合わずに恋人と別れる人、理解できないけどわかろうと努力する人、理解できないことに引きずられないようにしようとする人、世の中の人を7分割したらこうなるのかな〜と。 それは血液型で人をわけるばかばかしさとは違い、理念の違いといったものを感じる。 育ってきた環境も若干はあるかもしれないが、姉妹でもこれだけ違うのだからあまり意味はないかもしれない。 殺したのか殺してないのか、死んだのか死んでないのか、滅んだのか滅んでないのか、うわさと真実、それはどこで線引きされるのだろう。 現に去年から今まで何を信じて、何を疑えばいいのかわからなくなってきているのが現実だ。 そういえば、こないだ見たままごとの「あゆみ」も全員女性だったけど、表情やセリフなどが全然違う。 こちらのほうがより厳しいというか尖っている演技だった。 この公演を観たあとでちらしをよく見たら、なぜ、肉や魚なのかがわかるような気がした。 現在地ね。 いろいろあるな、演劇はおもしろいなぁ。 自分はこのい問いかけになんと答えるか。 演劇以前の問題だな〜。 いろいろ考えてしまってため息が出た。