「骨唄」 ももちパレス 

teru10162012-06-22

19時〜 4000円(シアタークラブ料金) トム・プロジェクト
作・演出 東憲司
出演 高野長英新妻聖子冨樫真  再再演というこの作品、とてもいい作品だった。 内容もキャストも抜群だ。 残念なのは空席がかなりあったことと観客に若い人が少なかったこと。 最近の小劇場ではけっこう若い観客も増えてきているのだが、なんとなくこういう作品は地味だと感じるのか入らないな〜〜 確かに5000円(通常料金)は高いかもしれないけど、歌舞伎やミュージカルを考えればまだ手出しできようというもの。 「骨咲き乱れて風車」あやしげな呪文のようなこのことば、今回のキーワードである。 舞台上には白い風車が所狭しと突き刺さっていて、風車だらけだ。 まんなかに粗末な小屋。 暗い照明のまま、昔の追憶のような場面、ある母親の葬儀、中学生らしき姉と小学生らしき妹、能天気に語る父親。 まとわりつく妹を突き放した姉、妹の耳に突き刺さる風車・・・・ 年月は流れ、別々の親戚に預けられていた姉妹は再び故郷で出会う。 偏屈な父親(高橋長英)は相変わらずだ。 ここに住んで父の後を継ぎ、骨の彫刻家になるとい言い張る妹シオリ(新妻聖子)を連れ戻そうとする姉カオル(冨樫真)、その確執は何年も続いていた。 しばらく一緒に住むうちにカオルはシオリが病気であることを知る。 妹を治したい一心のカオルは・・・・千本の風車を海に立てると、キュセンボウの蜃気楼が見えると言う。 父の態度に反発しながらも風車を作り続けるカオルと自身の病気を認知して恐れおののくシオリ。 シオリに本当のことがどうしても言えない父・・・
3人の役者さんは圧倒的にすごい。。 それぞれは観てたけど、この3人の組み合わせというか、役の巡り合わせと言うか、本当に素晴らしかった。 時間を全く感じなくてそれぞれの思いに入り込めた。 キーワードは風車、エミュウ。 風車を作ることで近づいていく三人の思い。 登場しないエミュウによって想像たくましくさせられる私たち。 偏屈な父はそれでも娘たちを愛していた。 その気持ちが痛いほど伝わってきて涙滂沱。 なんだか親子愛は反則だな〜〜w 歌わない聖子ちゃんはそれでも輝いていた。 時々口ずさんでいた骨唄はすごくピュアで心に響いた。 ミュージカルで初めて観た新妻さんだけど、こないだの一人芝居も併せて、本当に実力のある女優さんだと再認識。 これからもますます活躍してほしい。