「オレステス」 コミセンわじろホール

teru10162013-02-02

19時〜 1500円(DM割) 劇団天地  
翻訳劇をよくやる劇団天地、今回はオレステス、ざっと予習をしていった。 これは悲劇らしいけど、オレステスとピュラデス、オレステスエレクトラの間の禁断の愛(?)が見え隠れしてなんとももぞもぞっとした感じになったのは私だけかな〜。。。
不倫したあげく夫を殺した母親って設定からしてもうおどろどろ。 そして神アポロンの神託によってその母親を殺して、市民から死刑宣告を受けるオレステス姉弟。 助けを求めた叔父に冷たくされ、それならばとその叔父の妻や娘を殺そうと考える二人。  え〜〜??  現実離れしていて、それはそれで面白かった。 
オレステス役の石丸聡史さんは驚くほどイケメン。 その美しい顔が狂気にゆがむのを観るのはぞくぞくした。 ピュラデスの中山啓士さんもかっこよかった。 そしてエレクトラの小峰真梨子さんは相変わらず男前、美人なんだけど、強い女性を演じる。 また、今回の見どころはギリシャ神話特有のコロス。 6人の女優たちが黒い衣装を身にまとい、流れるように動き、同じセリフを同時にしゃべる。 戦争未亡人という設定らしいけど、芸達者な女優さんばかりでとても見ごたえがあった。 それぞれ上手なのだけど、それを抑えて合わせていたのが効果的。 一段上の舞台上には当時の木の船らしきものがドーンと置いてある、実にリアル。 十二夜でも似たような船があったかな? 客席前のフラットな部分も演技に使ったのだけど、数メートル四方の数か所に祓串がさしてある。 コロスがそれをとって舞ったりしていた。 雰囲気があっていいな〜  原大介さんのアポロンは最後に登場、笑ってしまうその格好の奇抜さは意図したものなんだろうな、お見事。 しかし。。。役になりきる役者さんの中にあって自分を貫く役者さんがいて、ちょっと驚いた。
終演後にオフステージトークショー、役者さん全員と、司会に椿楼の高橋克昌氏。 高橋さんは話を聞き出すのが、見ていて上手いな〜と感心。 まるでプロの司会みたいだった。 劇団のことから今回の芝居まで、そして客席からの質問で約30分。 ツッコミ部分もあるけど、私には好きな演劇だった。 ここコミセンわじろホールは駅からそのまま入れるビルで立地的には最高でした(^^)