「100万回生きたねこ」 北九州芸術劇場大劇場

teru10162013-02-10

13時〜 8500円 ミュージカル  
森山未來満島ひかり主演、他にも銀粉蝶藤木孝などのベテランに加え、田口浩正今井朋彦石井正則の中堅どころ、ダンス系の大貫勇輔他大勢。  佐野洋子原作のこの作品の内容は全く知らなかったけど、今までに観たミュージカルとはちょっとニュアンスの違う、ポップな作品だった。 よりアート的というか、ストーリーももちろんあるのだけど、絵本とかお伽噺のような感じ。 舞台装置は遠近法を使った部屋の中を立体的に再現、かなり奥行がある部屋のように見える。 ドアや棚、ランプ、椅子などはリアルだ。 ネコ役の森山未來は縦横無尽に走り回るし、棚には登るし、しゃべりまくる(ネコがしゃべるとは思わなかったが) 人間には聞こえない設定だから面白い。 現実のネコもきっと人間様との会話にこんなツッコミを入れているに違いない。
とらねこちゃん(森山)は100万回死んで、生き返る。 不条理な設定だけど、話としては面白い。 ただ、その繰り返しが若干単調だったので、眠気を誘ったのは否めない。 女の子(満島)は実に可愛らしくてずっととらねこちゃんを追って最後まで一緒だった白いネコに変化? したのがステキだった。 とうとう、死んでしまった白いネコを抱いておんおんとなくとらねこちゃん、ぽろっと流れた涙はネコに対してではなく自分へ重ねた想いだったかも。  特にこれといったヤマ場はなくて平坦に進んでいく物語だったけど、随所でダンスや演出の見事さを楽しめた。 涙を流すシーンのいろんな演出が面白かった。 魚頭の人は気持ち悪かった。 おばあちゃんの歳とっていくと全てが曖昧になっていくという感覚が共感できた。 演奏楽団の音楽はアコーディオン他でちゃんと前面に出ていて、存在感をアピールできていた。 コラボ感が良かった。 演出はイスラエルインバル・ピントとアブシャロム・ポラック。 非日本的な舞台は彼らの演出だったからなんだな。 未來くんを観たくて取ったチケットだったけど、いろんな収穫があったような気がする。